第一相模湯(一之湯) | ALL-THE-CRAP 日々の貴重なガラクタ達

第一相模湯(一之湯)

東京都大田区の「いきいき入浴証」をゲットしたので、早速「銭湯デビュー」することにした。

デビューに選んだのは、大田区西六郷二丁目にある「第一相模湯」である。

僕は、大田区西六郷二丁目で生まれ育ったので、この地域にはノスタルジーを感じる。

かれこれ60年も前のことになってしまったが、この第一相模湯に通っていたのだ。

もちろん、店の構えも、周辺も変わってしまった。今は、マンションの1階部分が銭湯である。

しかし、場所はそのままだ。

 

昔のように左に白湯、右には黒湯の湯船がある。昔はなかったのだが、女湯との仕切りの壁際に、高濃度人工炭酸泉という湯船もある。

僕は、開店早々の2時半すぎに行ったのだが、常連さんだろう、7~8人の高齢者とおぼしき方々がおられた。

こちとら、温泉には行っているが、街場の「銭湯」となると60年ぶりである。

先輩方の「所作」を横目で見ながら、小一時間も楽しませていただいた。

それで、200円なんだから、ありがたいやら、高齢者なのだからこのくらい大事にされて当然と思いなおしたり……。

 

男湯の常連さんたちは黙して静かだが、隣の女湯からは仕切り越しに、楽しげな会話が聞こえてくる。

そういえば、幼い日に僕が通っていた頃の第一相模湯には、三助がいた。

客の背中を流した後、景気づけに二三回背中を叩く、その「ぱんっぱんっ」という音が、浴場に響ていたものだ。

さすがに三助さんは、絶滅してしまったのだろうな。

 

ちょっと驚いたのは、黒湯に「電気風呂」という仕掛けがあること。

知らずに入ったら、シビれてしまいました。

 

銭湯の壁画といえば、ペンキで描かれた富士山が定番だが、第一相模湯の壁画はタイル画だ。

描かれているのは、日光の竜頭の滝だそうだ。

 

明るく、清潔なお風呂だった。

僕はすっかり嬉しくなり、大田区の全銭湯を制覇してみたくなった。

老人のささやかな抱負である。