すごく熱い本でした。著者が政府の記者会見オープン化に向けて取り組んだ内容をまとめた本です。
「記者会見ゲリラ戦記」(畠山理仁著、扶桑社新書)
政府などの記者会見は、「記者クラブ」という大手メディアが作ったギルドのような組織によって開催されていることが多く、そこは記者クラブ所属記者しか参加できないそうです。そうすると、大手メディアは、メディアといっても一営利企業ですから、自社にとって不都合な内容は報道しなくなる。そのため、記者会見の記者クラブを通じた報道は、かなり色つきフィルターがかかっている可能性があるということです。
もちろん、記者クラブは弊害ばかりではないのかもしれません。もしかしたらこの著者がまったくのデタラメを記載しているのかもしれない(私はそうは思いませんが)という可能性もほんの少しは残しつつ、まず私たち一人ひとりが情報を選別する能力(=情報リテラシー)を身につけるべきだと思います。
誰だって自分にとって都合の悪いことは言いたくないし、都合のいいことはできるだけ大きな声で言いたいはずです。その考えを政府の報道にも当てはめただけのこと。だから、いろいろな角度から情報をインプットし、その情報から自分が正しいと思うことを判断していくことが必要なんだと思います。
またこの本は、同じく記者クラブ問題を扱う上杉隆氏と共通する部分もあるのですが、上杉隆氏が「政府の行動を監視するのがジャーナリズム」と語るのに対し、著者は「記者会見オープン化への働きかけは、野球のグラウンド整備のようなものだ。(中略)私の仕事の本文は取材して原稿を書くことであり、活動家として動くことではない」と本の中で言っています。この両者の微妙なスタンスの違いも知ることができ、とても興味深く読める本でした。
ところでこの本、新書ながら285ページと相当なボリュームにもかかわらず、たった760円なんです。1ページ3円以下ですよ。ツイッターで「このボリュームで760円は安い」とつぶやいたら、著者から「脱税発見。税込み798円です。」とご指摘をいただきました。こんなやりとりを著者と直接できるのもツイッターの魅力。
テレビや新聞などのマスメディアだけの情報を信じるのではなく、他の情報源からの情報も必要であるということを気づかせてくれる、取材現場の生の情報がたくさん載った本です。
- 記者会見ゲリラ戦記 (扶桑社新書)/畠山 理仁
- ¥798
- Amazon.co.jp
ところでこの本、実際には帯に前金融担当大臣の亀井静香さんの写真つきコメントがあって、それが非常におもしろいのですが、なぜかAmazonでは帯なしの写真が掲載されているため、写真アップします。
