「韓国はモノを分け合うので、バスで隣にたまたま座った人にも休憩所でわざわざ食べ物を買ってきてくれる」

などという話を、韓国について日本人が書いていることがよくある。

昔の日本もそうだったんだろうなーって書いてあって、私も思う。

でも実は、私何百回ってバスだの列車だの地下鉄だの利用してるけど
乗り込む時だって我先にの人が多くて若者や中年の男女に跳ね飛ばされることもしょっちゅう
(この辺りは2年ほど前にもブログに書いた)、
見ず知らずの人に食べ物もらったことなんて記憶に無い。
何年も前に飴もらったことあったような…記憶が曖昧…

むしろ、他人を気にせずピザとかキムチとか裂きイカとか広げてる人たちを見て
「においが~!迷惑なんですけど~!」と心の中で叫ぶほうが多い。


でも、こないだ初めてサツマイモをもらった!

駅のうどん屋さんが混んでいて
椅子を股の間にもう一つ挟んで座っているおじさん(混んでるのに何で…)に声を掛けて出してもらい
なんとか確保した二人分の席。

そしたら、あとからおばあさんが入ってくるじゃないの~!

か…彼に立ってもらおうか←自分じゃないとこが今思うとひどい
と思ってたら、ラッキーにも隣のサラリーマンらしき人が最後の一啜りをしている!

おばあさんは気づかずに、うちらに背を向ける形の立ち食い席へ。
あ、隣のサラリーマン、席立って出て行った!

おばあさん気づいてない!

あとからあとからお客さんは入って来ているし
今逃すとしばらく空きそうな席はない!

で、おばあさんの背中をトントン叩き
「座ってください」と言ったら
おばあさん「あらま」と座った。

そして…荷物からおもむろにビニール袋を取り出す。
親指くらいのサツマイモが大量に入っている。
そして…「食べなさい」と

うわーい

ちょっと黒ずんで悪くなってるのもあったけど
自然な甘みのサツマイモはとっても美味しかった。
(黒ずんでいるところは彼がうどんの器の裏でこっそり折って、器と一緒にさげちゃった)

私達も駅前で焼き栗買ったので
「栗召し上がってください」と渡すと
「自分達で食べなさい」と言われたのだけど
「いえ、どうぞ」ともう一度言うと受け取ってくれた。

そして更に「たくさん食べなさい」とサツマイモをもっと勧めてくれた。

うどん食べながらなので、親指大を彼と私と2つずつ頂いて
それでも勧めてくれるので
「もうたくさん頂きました」と彼が言うと…

おばあさん、なんとうどん作ってるおばちゃん2人にまで配り始めた。
他のお客さんにはあげてなかったけど…

なんか、あったかい光景だった。


そういえばソウルでバイトしてたときも、
お客さんがケーキ持込で誕生日を祝って
うちら職員でどうぞって一切れくれたものだった。

日本でだって、まだそういう風景は無くなってない。
でも、最近早く北海道の田舎に帰りたいなぁって気持ちが大きかったので
知らないおばあさんに、家で蒸したサツマイモをもらう…っていう行為が
なんかとても温かかった。