元彼・春樹のお話③
ゲーム内でのチャットくらいしかしてないのに、
すっかり付き合ってる気分でいたよ。
お互いに、携帯電話で写メを送りあった。
今見れば、イケメンでもなんでもない
その辺に転がってそうなレベルの顔。
いや、普通以下かなぁ・・・
でも当時の私には、世界で一番男前に見えたんだよね。
恋は盲目っていうけど、本当こわい。
そして、実際に会う計画を立てて
その日取りを決めた直後、
春樹から、あることを告白されたんだー
「俺、バツイチなんだ」
こう言うことは、先に言っとくべきだとは思うけど。
高校生から付き合っていた彼女がいて、
その子と結婚したと言っていた。
でも、仕事が忙しくて
毎日、夜遅く帰ってきても
ご飯なんて作ってくれてなくて、
疲れた体で、自分で作って食べてたらしい。
彼女も正社員で働いているから、毎日すれ違い。
ある日、家に帰ったら
彼女は、荷物と共にいなくなっていた。
知らないうちに、バイクの免許を取りに行ってて
そこで知り合った人と、仲良くなったみたいだった。
彼女の親は、春樹に土下座して謝って
彼女を勘当までしたらしい。
春樹は外面だけはすごく良かったから、
一方的な言い分で、すべて彼女が悪いことになった。
それから、彼女は行方が分からないままみたい。
当時、その話を聞いて、
頭が花畑の私は、
彼女ひどい！！はるたん可哀そう（泣）
と、春樹と一緒に彼女を猛烈に批判した。
でもね、冷静になってから考えてみたら、
バイクの免許を取ったことにも気付かず、
家から、彼女のものが少なくなっていくのも気付かないくらい、
放置してたんだなって思った。
ご飯も作ってくれなかったって言ってたけど、
彼女だって、フルタイムで働いてたし、
春樹の夜遅い帰宅は、週の半分以上
職場の仲間との付き合いで、飲んでたからだった。
その話を聞いた時、
わずかにだけど、違和感を持った記憶がある。
でも、深く考えなかった。
その時の違和感を深堀して考えていたら、
私の黒歴史は一つ減ったかも知れないなぁ・・・
願わくば、彼女が今幸せに暮らしていますように。
元彼・春樹のお話④に続く
私の御用達
加藤製菓のおかき