- パワー・オブ・フロー/チャーリーン ベリッツ
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昨日の続きです。
では、フローに乗るためにはどうすれば良いのでしょうか?
フロー(幸運の流れ)は、ケセラセラあるいは LET IT BE 的に、何の目的も緊迫した願いも努力もない場所に訪れることはないのだとこの本は教えてくれます
矛盾しているようですが、“漠然と天に任せて福を待つ” ことと、“万事を尽して天命を待つ” こととは明らかに違うのです。
この本では、フローを引き寄せる9つの特性が示されています。
1. Commitment -Living by our deepest values
心の底から望む価値に従って生きる
2. Honesty -Telling the truth to ourselves and others
自分そして他人に正直に生きる
3. Courage -Overcoming our fears
恐怖や不安を拭い去る勇気を持つ
4. Passion -Engaging at deep levels with what we care about
関心を抱く事柄に対して情熱を持って深く関わる
5. Immediacy -Being in the moment
過去の後悔でも未来の不安でもなく、今この時を大切に生きる
6. Openness -Saying Yes to whatever comes our way
どんな事象も前向きに捉える寛容な心
7. Receptivity -Listening to inner and outer messages
内外からのメッセージに耳を傾ける感受性
8. Positivity -Finding the value in each situation
どんな状況にも価値を見い出す積極性
9. Trust -Having faith in ourselves and the Universe
私達自身と宇宙を心から信頼する
そして14個の具体的な方法も書かれていましたが、長くなってしまうので、
ご興味がありましたら是非ご一読ください
フローは勿論のこと、シンクロニシティについての記載も興味深い本でした。
現代の物理学者の一部は、
『私達が考えているような、出来事が次々に継続して発生するような時間は存在しない。 実際には、過去・現在・未来は全て同時に起こっている』
と定義しています。
またユングは、彼の度重なる実験の中で、被験者が緊張した時や、感情が昂ぶっているいるときにシンクロニシティが発生しやすい、と分析しました。
(全く逆に、旅先など、日常の束縛や社会的緊張から開放された場所でもシンクロニシティは度々顔を出すのですが...)
さらにユングは、人間の心の底には、心の働きの土台となる普遍的なイメージないしテーマがあると見なしてそれを「原型」と呼び、シンクロニシティはその「原型」の働きが活発になる時に起こると考えました。
ケネディとリンカーン両元大統領の人生の要素が似通っているのも、もしかすると二人のテーマ「原型」が同じだからなのかもしれません。
また一方でユング以前、オーストリアの生物学者パウエル・カメラーが別のタイプの偶然の一致があることを立証しています。 時を越えて物事が繰り返される現象で、彼はそれを「連続性」と名づけました。
「連続性」は、歌や数字や言葉が意味のある方法で繰り返される現象を説明してくれる定義ともいえます。
一例で言うと、沈没した豪華客船タイタニック号と、その十数年前に出版されていた、タイタニック号の悲劇を予知していたかのように内容がシンクロしている“タイタン号の遭難”という小説が挙げられるでしょう。
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とても読み応えのある面白い本でした。
一見、苦難に思える事柄も、学びのチャンス或いはもっと賢明な選択肢への合図と捉え、全てが上手くいくようにできているのだから大丈夫だと心から信用して生きることが一番大切なことのようです。
また、フローの入り口として現れるシンクロニシティーの存在を認識して生きられるようになれたのなら、人生がより楽しく、精神的に満たされるようになる。
そしてフローとシンクロニシティが連鎖する人生がいずれは当然のこととなり、自分と他人、全ての物質・生物が宇宙と調和して存在しているのだと理解するとき、フローは1つのエネルギーだと気づくのです。
フロー、シンクロニシティ共になかなか掴みにくい現象ですが、私自身、時間を超越した不思議な偶然をいくつか体験していて、更にそれは一時的にも、そして長期的な恩恵としても“幸運”の流れに沿ったものだったので、シンクロニシティという現象に興味が絶えず、フローという新しいキーワードについても、
もっと調べてみようと思いました。
読みづらい文を最後までお付き合いいただいて、ありがとうございました