昨日観たフィルムの感想の続きです。


映画 動物保護活動家 ダフニー・シェルドリック女史


love-peacehappy☆さん 同様、私もこのフィルムが一番印象的でした。

350万年前までさかのぼれるという人類の起源に対して、象の起源は6000万年前とも言われているそうです。

象の脳の皺の数は人間とほぼ同じで、高い知能と感受性を持っているそうですが、身軽で、手足が自由に使える人間とは生き方の方向性に大きな差がつきました。


では象は、その高い知能をどのように利用しているのでしょうか?

このフィルムをとおして、象が非常に愛情に満ち、自己犠牲を払ってでも自然に調和して生きる動物だと知りました。


アフリカの象の実に10万頭あまりが、これまで人間の狩猟の犠牲になっているそうです。 家のインテリアや人間の装飾品のために、象の牙が死骸から抉り取られるのです。

シェルドリック女史は、親が狩猟で殺されてしまった孤象を育て野生に還す活動を30年以上も続けている人です。 夫と共に活動してきた彼女は、夫が亡くなってからもずっと活動を続けてきました。 夫の死の哀しみは、ストイックに死を受け止める象たちの生き方に徐々に癒されていったのだと語ります。

彼女の孤象たちを見つめる瞳は、人間の子供を見る眼差しと何ら変わるものはありませんでした。


彼女が育てた“エレナ”というメスの象は、野生に還ったあともシェルドリック女史を大いに助けるパートナーとなっていました。 エレナは自らがシェルドリック女史に育てられている頃から、死にかけた象を見つけると施設に連れて帰り、自分で育てていたそうです。

エレナが17才の頃、乱獲された象の中に仲間の象が混じって殺されていました。 エレナは死骸から象牙だけを取り出して砕き、遠くの森に隠して埋めてしまったそうです。 仲間の象に対する尊厳の表現なのでしょう。

象はまた、仲間が亡くなった場所を何度も訪れるのだそうです。

シェルドリック女史が育てた孤象が時期に達すると、野生に戻ったエレナが引き継いで面倒を見てくれます。

まさに、人間と象がタッグを組んだ愛情実話です。


象がとても愛しく思えました。 人と同じように心を持ち、高い知能を自然や仲間のために使っているのです。

オアシスで水浴びをした後には、他の動物達が水を飲み易いように自分の身体を横に倒して地面を固めてからその場を去ります。


目の前で親を亡くした小象は、夜中 泣き続け、傷が癒えるまでに3~4ヶ月かかるそうです。 そして傷が癒えても一生覚えているのです。


赤ちゃん象はメスの象が助け合って育て、オスもとても優しいといいます。

オスの小象はある時期に達すると自ら群を離れ、父親象の元で生き方や威厳を教わります。


鼻は地面の臭いを敏感に嗅ぎ取り、数分前にどんな昆虫や動物が通ったのかを知ることができます。

また大きな耳は、低周波を使って遠くの仲間と交信しているといいます。

年をとった象は何でも知っていて賢く、目が見えない あるメスの象は、リーダーとして30年間 群を導いたそうです。


象の生き方、そして死に方には、自然に対してとても謙虚で、同時に威厳のある叡智を感じます。

一日に非常に大量の食料を必要としますが、食べたものの60%はそのままの状態で、遠く離れた場所に糞として自然に還元します。

食べ物が無くなった時には、動物の中でも一番最初に死んでしまうといいます。 そして食料が一日生きるのに足りないと判断すると、自ら食べることを止めて死を待つのだそうです。


シェルドリック女史の言葉が心に残りました。

『エレナはすべてを知っています。 それでも人間を愛してくれるのです』



地球交響曲第一番の感想はここで終わりとします。

日本各地で自主上映 されていますので、機会がありましたら是非ご覧ください。

読み難い文章を最後まで読んでいただいて、ありがとうございましたヒマワリ