- 「原因」と「結果」の法則/ジェームズ アレン
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この本は、イギリスの哲学者ジェームズ・アレンによって1902年に書かれました。 以来、現在に至るまで世界中で売れ続けているという文字通りのロング・セラー本です。 ナポレオンやナイチンゲールなど各分野で偉業を成し遂げた人たちにとっての指南書でもあったそうです。
原題は 『AS A MAN THINKETH』 。 直訳するならば『人間が思うとおりに』 であるように、彼の哲学の根本は “今いる環境(人生)は、自分の思考がそのまま反映している世界にすぎない”ということであり、逆にいうと、“自分の思考の置きかた次第で人生がどのようにも変わっていく” というものです。
本文から抜粋すると、
『人間の心は庭のようなものです。
それは知的に耕されることもあれば、野放しにされることもありますが、そこからは、どちらの場合にも必ず何かが生えてきます。
もしあなたが自分の庭に、美しい草花の種を蒔かなかったなら、そこにはやがて雑草の種が無数に舞い落ち、雑草のみが生い茂ることになります。
すぐれた園芸家は、庭を耕し、雑草を取り除き、美しい草花の種を蒔き、それを育みつづけます。
同様に、私たちも、もし素晴らしい人生を生きたいのなら、自分の心の庭を掘り起こし、そこから不純な誤った思いを一掃し、そのあとに清らかな正しい思いを植えつけ、それを育みつづけなくてはなりません。
もしあながたその作業をつづけたならば、やがて必ず
「自分は自分の心の園芸主任であり、自分の人生の総責任者である」
という事実に気づくことになります。
自分の人格、環境、および運命の形成に、自分の思いがどのような影響を与えているのかを、日を追うごとに、より明確に理解していくことになるでしょう。』
このセオリーはもしかするともうありふれているのかもしれません。
でもこの意図するところを実感として捕らえている努力家で注意深く幸福な人がいったいどれだけ存在するのかは未知数です。
実際、私自信も文字通りの意味、つまり人間は欲、悲しみ、不安、怒り、不満、傲慢、攻撃、絶望、嫉妬、孤独、無関心、無責任、憎しみなどの苦しくはあれど決してハッピーにはなれない要素をもっているよりも、謙虚であり何事にも喜びの要素を見出し、全てのものに愛情を注げるような人間になってしまうほうが、本人が一番楽だし救われる方法となりえるのでしょうと、半ば理論的に哲学書として受け止めているだけの部分もあり、今の自分のいる環境(人生)が、これまでの自分の思考にかなったものであり、それ以上でもそれ以下でもありえないというアレンのセオリーに真から納得しているわけでもないのです。
アレンは、『思考が運命を変える』 ということに気づきたいのであれば、常に自分の思考、感情、行動、そしてその後の結果を粘り強く観察することが大事だと提言しています。 私は同時に他人を見てみることも大いに参考になると思いました。 確かにそうなのかもしれないと思わずにはいられなくなります。
価値観や倫理観がブレそうになったときに読むと、とても勇気がもらえる本です。 私も改めて読んでみて、心に響くところがたくさんありました。