今日は読書日記ではなく、テレビ日記です。
今さっき見たNHKの番組が衝撃的だったからです。
『爆笑問題のニッポンの教養』という新番組なのですが、今日は
東京大学教育学部部長でもある浅島誠氏が登場していました。
浅島氏は発生生物学の権威で、大学を卒業してから(イモリ)や
(カエル)を研究・観察し続けた人です。
生物学的にイモリやカエルというのは面白く、イモリなどは肉体のどこを切っても再生する機能を持つし、カエルも卵で誕生してオタマジャクシの時期には魚類であるのに成長すると両生類になる、生物のなかでも珍しい種だといえます。
博士はイモリの受精卵の中から、“未分化細胞”を取り出します。
“未分化細胞”というのは、受精卵の中でも未だ身体のどの機能になるかが決定していない準備段階の部分で、黒い皮のような部分でした。 そこに何か“器官の素”のような物質を混入することによって、身体の特定の器官に分化していくのだと信じて地道な実験を積み重ねていったのです。 つまり、チチンプイプイと、呪文をかけて何かを混ぜれば、それが心臓となって動き出すのか、肝臓の部分に形を変えるのか、あるいは筋肉の部位になるのかが分化されると信じたのです。
そして、その魔法のような物質を遂には発見し、世界中の科学者が後を追って実験し証明されたのです。
それは「アクチビン」という名のタンパク質でした。 そして各部位に分かれる決め手はその濃度によってでした。
遂には、人の手によって心臓という命の中心を成す器官やあらゆる部位の筋肉などが創れてしまう時を迎えていたということなのです。 動かなかったものが、自発的に動き出すのです。
元々備わっていた体細胞を採取して人工授精を施して誕生したクローン羊 ドリーの時とはまた違った衝撃があります
人は全てを解明してしまったのでしょうか?
いえ、それでも、「アクチビン」というタンパク質を創ることのできない人間は、謙虚さを忘れてはいけないのだと思います。