- シンクロニシティ―「奇跡の偶然」による気づきと自己発見への旅/フランク ジョセフ
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- 誰もが“偶然”という言葉で通り過ぎてしまう出来事について、著者は4年の月日をかけて約800人以上からの体験談をまとめ、著者自身の見解を述べています。
シンクロニシティとは『共時性』と訳されますが、その言葉の示す現象は“虫の知らせ”、“正夢”、“パラレル・ライフ”などを含み幅広く、またそれらを認知するのは常に個人的レベルな為、研究自体が難しく、しかも忘れられやすい事柄です。
ですがきっと、この本を読んでいるうちに、『あぁ、確かにそういうことがあった』と思える出来事が浮かんできて、改めてその不可解且つ魅力的な要素に心を奪われるはずです。
そしてそれらの“偶然の一致”が何かのルールに従って現れた“必然的”なものであったと思えるかもしれません。
個人的にはこういった証明のしずらいながらも人々が“何か原理・道理があるのではないか”とうっすらと意識している突発現象が、今後期待できる科学の開拓分野なのではないかと感じています。
物理的な見地からすべて説明できる現象なのかもしれません。
セレンディピティ然り、こういった本はたくさん出ていますが、説得力や事例に無理や貧弱性を感じる本も多いものです。
ですが、このフランク・ジョセフ氏著書の本は例証も充分に問題提起に堪えるもので面白い内容でした。
(一例) ドイツの数学者マリア・ライヒは、南米ペルーにある
『ナスカの地上絵』になぜか人並みならぬ魅力を感じ、1930年以降60年に渡って現地での研究を続け、地上絵の保護活動にも多大な貢献をした女性だ。
1930年に彼女は、ナスカ平原に描かれた渦巻き模様から調査を始めることにしたが、後になってこの渦巻き模様はさらに大きい“サル”の姿の尾の部分でしかなかったことを知る。 何ヶ月もかけて地上の線を追う生活を続けた結果、やっと全体像が明らかになった。 そして最後に残った右手の部分を仕上げた時、指が一本足りないことに気づいたのだ。 左手には指がちゃんと5本ついているのに、右手には親指がなかった。
彼女は、自分がなぜそこまで『ナスカの地上絵』に惹かれるのか、そこで初めて理由がわかった。 ライヒ女史は、生まれたときから右手の親指が欠損していたのだ。 自分とナスカの地上絵の関連性が明らかになった瞬間、ライヒ女史は自分しかいない研究小屋でいつまでも笑い続けたという。 (以上本文より抜粋)