やっとの思いで立ち上がった琴音は校舎を後にした、季節は寒く、琴音に厳しかった。吹く風は体に刺さった。
寒さのなか土手を歩く琴音、遠くに共に歩く男女が見えた。世の理不尽さに呆れ果てた。
何故、私だけ?人と違うから?
そんな感情が芽生えた。その時、彼女のポケットから声がした。
「はじめまして~、私キョウカっていうの~よろしくね~」
喋るカードに琴音は驚いた。しかし、驚きの次にくる感情は不思議なものだった。
「かっ、かわいい」
その言葉にカードの少女は驚いた。どうやら驚かされたのはルリグの方であった。