パイクが表現したものとは | いい音、いい風 いいにほひ ★ <音楽、ART、デザインBLOG>

パイクが表現したものとは

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Nam June Paik: Venus
圧倒的に美しいですね。


前回はデジタルな映像をご紹介しましたが、一転して過去のビデオ作品ナムジュンパイクの
Beatles Electronique (下の作品)を取りあげます。僕もこの作品は知りませんでしたが、パイクの作品は20年位前に原美術館で結構見ました。
やたら長い作品を見たせいか、いまひとつテーマがぼやける感じでした。
しかし感性は他の作家の作品より強いものがあったように記憶しています。


このBeatles Electronique はまだ映像の技術が確立されていない60年代の作品ですから
その先駆者としての開拓精神、そのセンスに驚かざるを得ません。

整理はされていないんだけれど、力強い。
artっていうものは、きれいに整理できなくて、噴出してきた何かなのです。

デジタルって人間のメチャクチャな部分が出にくい分 熱いものを表現できないんだろうな
なんて思うのです。




やはり、いろいろ聞いた後だから言えることだろうけど、ビートルズのサウンドは重厚ですね。
popミュージックにしてもビデオアートにしてもいきなりピークだった60年代の呪縛からは
開放されることはないと僕は考えています。クラシックの演奏家も凄い人が出たようです。
これは人類のエネルギーが何故かその時代に集中していたからだと思ったりします。

これらをベースにして、いやベースにしないで時代を切り裂く作品が出てきて欲しいというのが僕の今の思いです。