捧げる愛と奪う愛? | EX LIBRIS

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善徳女王にはまりました!
日々の妄想やら想像やら考察(?)やらを徒然とUPしてます。

二次小説についてはタイトルに【SS】が含まれています。
苦手な方は目印にされてください。
基本、トンマンとピダムがメインです。

Namukiyoさん♥のブログで、ネタをもらってきました(笑)

 

ネタパクですいません、Namukiyoさん…。

 

さて、ユシン&ピダムプレゼンツ。

 

陛下の即位式に贈る愛の言葉。

 

「陛下 惜しみなく 私のすべてをささげます」



「陛下 容赦なく すべてを奪い取ります」

 

私がトンマンならこう言います。

 

「どっちもいらない…」

 

 

全てを捧げられても重いし、全てを奪われる(つまり、束縛される)のは嫌です…。

 

と、個人的な感想は置いといて。

 

全てを捧げる愛、全てを奪う愛。

 

このドラマの延長戦のメインテーマでもあるこの言葉は、なんていうか謎ですね。

 

最初に見てた頃は、ユシンの「全てを捧げる愛」というのはなんとなくわかりやすかったようにも思うんですが。

 

この記事を書こうと思ってふと改めて考えてみたんですが。

 

…結局、ユシンの全てって何だったんだろう?

 

トンマンVS伽耶勢力の問題では、伽耶勢力の収拾するのも落としどころをつけるのも、トンマン(とチュンチュ)に丸投げだった…丸投げしたっていう自覚はないと思うけど。

 

自分の信念に忠実なのはいいけど、解決しようという努力の陰は見られない。

 

伽耶勢力を捨てないのが最終的には新羅のためになるっていう信念はわかる。

 だけど、自分が制御できない勢力の問題を、自分はさっさと自首して、まるっとトンマンに投げるのはどうなんだよ…と、言いたくもなる。

 

丸投げされたトンマンはチュンチュに八つ当たりするほど悩んだっていうのに。

 

チュンチュがいればこそ、解決策は出たけどさ。

 

解決策が出なかったら、処刑されて終わりですよ。

 

本人はそれでいいかもしれないけどさ…。

 

まぁ、彼的には策略とか計略とか担当はチュンチュとトンマン!みたいな頭があるんでしょうか。

 

自分はただ自分が正しいと思う事を貫いて、トンマンはその後始末に右往左往っていう状況。

 

…良くも悪くも男のやることだな、って感想が若干あります。

 

自分がやりたいようにやって、後始末は気にしない…みたいなとこがね。

 

あなたがこういう行動をとったら、その次はどうなるの? その後始末は誰がするの? …みたいなのは二の次三の次、っていう旦那さん、いません?

 

そんなところに若干イラっときたんですが…いませんかね、そういう男。

 

…うちのだけですかね(笑)

 

まぁ、ピダムの場合は、トンマンが雄々しくも「私に丸投げしてとりあえず逃げろ!」って言ったのに逃げなかったからあんな酷い結末になったんですが。

 

どっちにしても、トンマンって男運がいいのか悪いのかよくわからない運をもってますよね(笑)

 

それは置いといて。

 

ユシンの愛情は、トンマンに全幅の信頼(たとえ殺されそうになったって信じてそう)を寄せているというただその一点ですね。

 

ただ、トンマンが望むことと自分の信念が違えば一歩も譲らず妥協もしない。

 

うーん。

 

信頼はできるけど、あてにはならない男だな。

 

どうにもならなきゃ丸投げしてくるだけだし…。

 

ユシンはひとまず置いといて。

 

ピダムに行きましょう。

 

「陛下 容赦なく すべてを奪い取ります」

 

これは、まぁピダムの言葉っていうよりは、ミシルの言葉なんですが。

 

「愛とは奪い取るものだ それが愛だ」

 

ここまでは誰でもわかる。

 

で。

 

全てを奪い取る愛ってなんだ? っていう疑問が残るわけです。

 

ピダムは結局、司量部令時代に王位を望んでいるわけではないと思うんですよね。

 

・即位からずっと権力の掌握につとめてる。

 

・百済戦の時にはとうとうユシンから軍権を奪うこともしてる。

 

これだけ見れば王位を狙ってる?ってことになるんでしょうけれども。

 

・トンマンが、神国にしか恋をしないっていえば、神国になるっていう。

(ついでに、トンマンも神国も自分にとっては同じものだって言ってるとこは、ミシルの最後のシーンとブレてない)

 

・トンマンが、婚姻するとしたらそれは神国にとって必要だからだ、っていえば、神国に必要な人間になろうとする。

 

この二つが混ざるとややこしくなるというか、トンマン曰く「婚姻のために権力を得ようとするって、どこまでやることが子供っぽいんだ!」って感じです。

 

前二つは、いわゆるピダムのミシル化ですよね。

 

真智王と真平王時代のミシルではなく、真興王時代のミシルと言えばいいんですかね。

 

ミシルは真興王を尊敬?敬愛?しつつも、水面下では政治(セジョン)も、軍部(ソルウォン)も手に入れて、王妃ではなかったけれども玉璽を管理するという意味では、かなり特別な地位も持っていた。

 

最終的には王妃の座が望みだったんですが、真興王の王妃の座ってのは狙ってなかった。

当然、この当時は王位も狙ってなかった。

 

真興王が元気なうちは叛意はなく、真興王が死にそう&自分を殺そうとしてるから、クーデターを起こすんですよね。

 

んで。

 

ピダムは、トンマンのことは愛してるけど、水面下では貴族勢力を掌握して、ユシンから一時的にとはいえ軍権を奪ってソルウォンに与えてる(つまり自分の勢力下においてる)。

 

トンマンの王配ではないけれども、司量部という王直属の部署を任されて、便殿会議には重臣よりも上座、チュンチュの次くらいのポジション。

 

便殿会議に途中参加でずかずかっときて、意見を述べるあたりもミシルを彷彿とさせるし、それが許されるくらいの地位なんですよね。

 

そしてミシルと同じく、王位は狙ってない。

 

王配になって、トンマンを自分のものにしたいだけなので、トンマンに対しての叛意はない。

(…そして、暗殺されそうになって反乱を起こすところも親子で一緒)

 

ミシルと同じく、いつの間にやら勢力を拡大して、トンマンの臣下であるべきはずの重臣たちを自分の配下にしてるんだけど、別にそれをクーデターに使おうとは思ってはいないんですよね。

 

だって最終的に欲しいのはトンマンだから。

 

つまり、ピダムが奪ったのは、閣僚と軍隊で、これがなければ国を動かしていくことはできないものですよね。

 

んで、奪った目的は、トンマンを手に入れるため。

 

なんでそこがつながるのよ、ってのは、閣僚も軍隊も掌握したら、トンマンはピダムを抱き込まないと閣僚も軍隊も掌握できないから、ピダムと婚姻…もしくは、ピダムが必要になるはず、っと。

 

そうなると初めて、ピダムはトンマンが『王として必要とするもの』をすべて奪えたことになるんですよね。

 

そして最終的にはトンマンを手に入れる、と。

 

国を得るために王からすべての人材を奪うのがミシルのやり方ですよね。

 

で、ピダムは、トンマン(王)を得るために国を運営するのに必要な人材を奪ったわけです。

 

これが、ピダムの「トンマンを得る」っていう目的を達成するための手順なわけですか…。

 

…なんていうか、人の心を信じないピダムらしい、外堀を埋めてから本丸を落とそうみたいな…ものっすごい計画的な恋愛ですね。。。。

 

ピダムはトンマンと婚姻すれば王にもなれるんだろうけど、タブン王にはならない。

 

なんでかっていえば、トンマン=王=神国だから。

 

トンマンを手に入れた時点で国を手に入れてるので、わざわざ王にはならないだろうなと。

 

「愛とは所有するもの」

 

っていうピダムのセリフがありましたが、これが(ミシルの影響は多分にあるとしても)ピダムオリジナルといってもいい表現ですね。

 

つまり、トンマンを所有したい、自分のものにしたい、ほかの誰にも渡したくない。

 

そういう独占欲的なものが根底にあるわけです。

 

王位も国も民も、トンマンの二の次三の次。

 

ただ、ピダムがうっかりしてたのは。

 

トンマンはミシルの手口はよく知ってたので、ピダムが本格的にミシル化すれば、クーデターを起こさないかと警戒せざるを得なくなるということを。

 

 

 

 

 

ただ、ユシンの帰還までは、あまりピダムのミシル化は顕著じゃなかったと想像してます。

 

トンマンの表情も柔らかいので。

 

その後にピダムがだんだん自分の意図と違う行動をするようになって、若干戸惑ってるような気がします。

 

たぶん、ピダムもここら辺までは、何をするにしてもトンマンの意図を汲み取ってやってきてたとおもうんですよね。

 

なんていうか、頭の中にぼんやりとあるイメージをうまいく説明できる言葉が見つからないんですが…。

 

ピダムにとってトンマン=神国なんですよね。

 

で、計画通りにいけば(トンマンの意思は計画外になってる気がするけど)いずれトンマンは自分を必要とする…自分と婚姻しなきゃいけなくなるようにして、トンマンを自分のものにしようと思ってる。

※一般人の恋愛観とすごいズレてるピダムの思考回路はともかくとして、この時点ではあくまで穏便に事を運ぼうとはしてると思う…。

 

つまり、神国はトンマンの付属品としていずれ自分のものになる物なので、国政が混乱することは望んでないと思うんですね。

 

そこに、復耶会問題が発生するわけなんです。

 

ピダムにとっては、自分の物になる予定の神国ってものを脅かす存在でしかないんですよね、復耶会ってのは。

 

トンマンの、伽耶人を新羅の民として吸収していきたいっていう意向は、ピダムにとっても許容範囲内だから大盤振る舞いの優遇政策も許容しているのに、それでも復耶会なんてものがいまだに存在してることは、ピダムからしてみればもう我慢も限界なんですよね。

 

トンマンですらあれだけ怒ってたくらいだから、伽耶にさほど思い入れもないピダムはキレて当たり前レベル。

 

で、ユシンが伽耶を切り捨てることができないのがわかりきってるピダムにしてみれば、トンマン(神国)>伽耶っていう選択ができないユシンの存在ってのは、自分の物(になる予定の物)を脅かしてる敵も同然なんだと思うんですよね。

 

ユシンが帰還することに対する焦りと、嫉妬ってのもあると思うんですけど、それまでのピダムってユシンに対して敵愾心をオープンにしてはいないと思うんですね。

 

「ユシン軍」って言葉に過剰反応してるのをみて、司量部の面々が「えっ?」って顔してたから、身内にもそんな姿は見せてないと思うんですよね。

 

ユシンの出迎えシーンでユシンも周りの人たちも、誰も「えっ?」って顔してないので、上っ面ではあるとしても、今までのユシンとピダムの関係って表面上はあんな感じなんだと思うんですよ。

 

三韓地勢をユシンに譲りに行ったときみたいな感じで、ふらふら~っと戦勝の祝い酒を持ってユシンの屋敷を訪ねることもあったかもしれないくらいにはふつーの関係だったのかと…。

 

つまり、ピダムのミシル化が顕著になったのは、ユシンの帰還後なんだとおもうんですよね。

 

で、これだけ優遇してもダメな伽耶勢力はいずれ害にしかならないので、トンマンに伽耶勢力を捨てさせようとする。

 

ついでだから、伽耶を捨てないユシンも、トンマンに捨てさせようとする。

 

伽耶勢力は害になるから潰さないといけないけど、ユシンはもののついでなんですよね。

 

軍権を握ろうと思えば、いい機会といえばいい機会だったので、蹴落としてみようみたいな…。

 

でも、ユシンが捨てないトンマンがすごく辛そうだから、やっぱユシンの命だけは助けるよ、って言ってみる。

 

そこでぐらぐらすんな、男だろ!

 

って言ってやりたいことしばし。

 

さて、だいぶ横道にそれまくって脱線したんですが…全てを奪う愛って、人材を奪って外堀を埋めて、自分が必要とされる状況に追い込んで、トンマンを得ようという…人としてはずいぶんアレな恋愛観なんじゃないかと思いました。

 

軍権も一時的にはピダムの手中におさまり、結果的にはトンマンが「必要だ」って言ってくれたし、上大等になって王配にもなったし…。

 

あれ?

 

ずいぶんアレな恋愛観だとはおもったけど、驚いたことに、ある意味計画通りに全てを奪えてますね(笑)

 

最終的に、「覚悟ができていない」といわれるまでに愛されてるし。

 

んで、国婚宣言以降のピダムの落ち着きようが、ユシン帰還以前のピダムに近い状態なのかなと想像してます。

 

幸せバカップルフィルターが追加されてはいますが(笑)