こんばんは。

ダイヤ改正を目前にして、日本海側に低気圧が襲来。天気は大荒れとなり、運行終了直前の特急列車にも運休が出ています。
特に、非常に高い競争率の中、ようやくトワイライトエクスプレスのきっぷを手にしたのに運休…というような悲痛な声も聞こえてきていまして…心中お察しします。


さて、今回は運行終了迫る特急「はくたか」に使用されている、681・683系金沢車の話題です。

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「はくたか」といえば、この681系2000番台「スノーラビットエクスプレス」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

現行の特急「はくたか」は、1997年の北越急行ほくほく線開業に伴い運行を開始しました。当初はJR西日本の485系V編成、681系W編成、JR東日本の485系R編成、北越急行の681系N編成と多彩な車両で運行され、その後485系V編成は681系W編成で、485系R編成は北越急行683系でそれぞれ代替され現在に至っています。
本年3月13日に廃止され、その後「はくたか」の名は北陸新幹線主要駅停車タイプに引き継がれます。

現在、はくたかとして使用される681・683系はすべてJR西日本金沢総合車両所で管理されており、JR西日本車・北越急行車は681・683系問わず共通運用となっています。

その陣容は、JR西日本が681系基本編成(W01~W06)、付属編成(W11~W16)各6本ずつ、北越急行が681系基本編成(N01、N02)、付属編成(N11、N12)各2本、683系基本編成(N03)、付属編成(N13)各1本の合計81両。
加えて、主にサンダーバードの増結用として使用される3両編成のT11編成がはくたか運用に就くこともあります。
実は、北越急行所属車は少数派なんですよね。


さて、今回の主役は多数派のJR西日本所属車。

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青々とした水田が広がるくびき付近を快走するホワイトウイング統一9連。…残念ながらもう見ることのできない姿です。

T11編成を除くJR西日本車についてくわしく見てみましょう。

このうちW01・W11・W02・W12編成は「はくたか」運行開始に伴って製造された681系最終増備グループ。「サンダーバード」運用組からの転用ではなく、新製車です。JR西日本車はすべてサンダーバードからの転用と思われがちですが、この2編成は当初から「はくたか」用として用意されています。
その後、JR西日本所属の485系V編成を置き換えるべく、683系0番台新製投入によって余剰となった「サンダーバード」用681系を「はくたか」運用組に転用し、W03・W13・W04・W14編成が誕生しています。
さらに、683系4000番台の大量投入によって「サンダーバード」運用組からさらに1編成が転用されW05・W15編成が誕生。
そして、昨年夏ごろに京都所から1編成が転入し、W06・W16編成が誕生しています。

各編成の特徴を見てみましょう。

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「はくたか」用編成にはこのエンブレムが付けられています。
「はくたか」運行開始時、JR西日本は「雷鳥」→「サンダーバード」のように「はくたか」を行く行くは「ホワイトウイング」に改称したかったようですが、他社の同意が得られず取りやめた…というような逸話を聞いたことがあるような?…個人的には好きなんですけどね、「WHITE WING」。

W01~W04・W11~W14編成は681系新製当時の姿を残した原型車で、「サンダーバード」用と同じく青色の帯、そして車体側面には Hakutaka WHITE WING  ロゴが入っています
W05・W15編成は683系投入後もサンダーバードとして運用されていたため車内設備統一工事を施行されており、3号車がモハ681-300、4号車がサハ681-300、9号車がクハ681-200にそれぞれ改造されているため、他の編成同様青帯・WHITE WING ロゴながら若干外観上の差異がありました。


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こちらはサンダーバード用編成につけられているエンブレム。(画像はT11編成のもの)

W06・W16編成は京都所属だったW01、V13編成がそのまま転用されており、3号車がモハ681-0、4号車がサハ681-300、8号車がモハ681-300、9号車がクハ681-200と車内設備統一工事施行済み、かつ他の編成とは連結順序に差異があるうえ、青帯ながら一部ロゴは消去、そして一部ロゴは THUNDER BIRD のままになっているなど、異彩を放っていました。

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名立駅を通過するW06編成単独6連。トップナンバー車や、「サンダーバード」ロゴなど異彩を放つこの編成は注目の的…?

さて、W05・W15・W06・W16編成を除くと、「はくたか」用681系と「サンダーバード」用681系の基本的な違いは、「ロゴが違う」「車内設備が違う」そして「サンダーバードでは3号車と8号車が交換されている」というものがあります。
(ちなみに、W05・W15では交換されていた3号車と8号車をはくたか転用に際し元に戻しています)
交換の理由はやはり車内設備統一のためですが、昨年秋ごろから「はくたか」でも車内設備統一工事は施工せずに3号車と8号車の交換が順次行われました。

ですが、この交換では新製時のペアどうしで交換…とはならず、かなりごちゃごちゃに組み替えられています。

また…

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しらさぎ+スノーラビット…今しか見ることのできない組み合わせです。

2月ごろから、従来の青帯を青+オレンジ…つまりしらさぎ色への変更が進んでいます。

というわけで、この組み換え状況を調査してきました。
(個人レベルの調査です。抜けや誤り等あるかもしれませんので、参考程度でお願いいたします)

結論から行きますと…

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「WW」…青帯+WHITE WING ロゴ (JR西日本「はくたか」標準塗装)
「しらさぎ」…青+オレンジ帯(しらさぎ色)
「SRE」…SNOW RABBIT EXPRESS (北越急行色)
「サンダー」…青帯+THUNDER BIRDロゴ (サンダーバード仕様)
※N03・N13編成は683系ですので車両形式が異なります
※N01編成はすでに運用を離脱して塗装変更を施工中です

こんな感じになっていました。

数日間直江津やら越後湯沢やら富山やらを動き回って、W14・W16を除く編成に出会えました。
W14・W16に関しては遭遇できず、インターネットで情報を探しても車番、塗装の情報を発見できませんでしたので「?」や「不明」となっております。これらの編成では、組み換え車番は基本編成の組み換え状況からの推測です。

また、調査を行った時点ではW06編成はサンダーバード塗装でしたが、記事作成直前時点で塗装変更の情報が入りましたので「しらさぎ」としています。
6連基本編成で青帯を纏う編成はすでになく、3連付属編成も消滅間近…。塗装変更はかなりハイペースで実施されています。

W01~W05、W11~W15編成はそれぞれかなりごちゃごちゃに車両を交換しているのがお分かりいただけると思います。モハ681-200+クハ681-200というような新たな連結順序も誕生しており、なんとも興味深いですね。
また、それぞれ2編成ずつの北越急行681系でも、N01とN12、N02とN11で車両を交換しており、車番の末尾の統一感が崩れています。

ちなみに…

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2月28日、1016M 「はくたか」16号 最終運用に就くN01編成。
石打滞泊運用に就くと前面が汚れてしまうのが残念なところですが…

はくたか運用終了後、北越急行車はJR西日本に売却される予定ですが、列車廃止に先立ち、2月末日を以て北越急行681系のうちN01編成が運用を終了、現在は吹田に回送され塗装変更を受けています。


最後にいくつか画像をご紹介しましょう

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越後湯沢駅構内には「はくたか」寄せ書きボードが。…一枚くらいホワイトウイングの写真を使ってあげてほしかったところですが(苦笑)
大荷物を抱えた客が行き交う一大ターミナルだった越後湯沢駅…はくたか廃止後で人の数は減ってしまいそうですね。

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はくたか運行経路の各駅に掲出されたポスター。JR西日本・東日本・北越急行の共同プロジェクトで制作されたこのポスター、489系などのヘッドマークなどでおなじみの「鷹」に加え、JR東日本所属の485系、栄光のR1・R2編成先頭車に取り付けられていたエンブレムが添えられています
記念品として手元に置いておきたいほど素晴らしい作品です

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「ラストラン」ポスターは数種類あり、各駅に掲出されています。
列車名を織り込んだ最後の一文がまた良いですね。

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681系W02編成…しらさぎ帯には、かつての青単色帯の跡が浮き出て見えます。

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雪原を駆けるウサギをイメージさせるこのロゴマークも見納め…
しかし、「スノーラビット」の名は北越急行の新たな看板列車、超快速「スノーラビット」として受け継がれます。


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3月4日には最後の「長岡迂回はくたか」が運行されました。
当日は車体に波しぶきがかかるほどの強風…。4往復のうち2往復が運休となってしまいましたが、T11編成の登板を見ることができました。

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雪晴れの中を駆ける683系8000番台統一9連。
「はくたか」用としては唯一の683系であるこの編成、はくたか運用終了後はどの列車に転用されるのでしょうか?


681系・683系の全面リニューアルも発表されるなど、ますますこの形式から目が離せませんね。



「在来線最速列車」の名は、東京対北陸高速輸送のパイオニア、「かがやき」に次ぐ種別として生まれ変わります。

最後の日…そして始まりの日まで、安全に、使命を全うできますように…。

それでは。