頑張るぞー | 紙漉きの女房になって ~石州勝地半紙~

頑張るぞー

お日様がでて
霜の降りた冷え込んだ朝から
暖かい日中になりました。

風助はゴロリと熟睡。

紙漉きの女房になって ~石州勝地半紙~



今日は楮を染めました。
よく「草木染ですか?」と聞かれますが、
彩色和紙のほとんどは化学染料で染めています。

紙漉きの女房になって ~石州勝地半紙~



草木染で昨年は「臭木(クサギ)」で
この色を出したかったのですが
春先の低温に続き、猛暑だった夏、
秋になるといつもは山にあるはずの
実という実がほとんどなりませんでした。
お正月の飾りに重宝する「ツルウメモドキ」も
花は沢山咲いたのに
まったくなりませんでした。

今年の気候がどうなるかわかりませんが、
今年こそクサギできれいな水色を出してみたいと
思っています。



今日はうれしいことがありました。

新聞の取材記事がご縁での出会いで、
仙台市にいらっしゃる染織家の小林澄子さんが
ご自分で染めた糸の端切れが捨てられずにいて
作品を包む和紙をその糸を入れて漉いて欲しいと
ご連絡があり、やりとりをしていました。

私も、原料の栽培の一から紙に漉きあげているので
紙の端切れでも勿体無くて
捨てられない気持ちは一緒で
染めた糸を入れた和紙を漉きましょう
というお話になったところへ
大震災が起きてしまった。

お会いしたことがあるわけではないが、
染色した糸を入れた和紙ができあがるのを
楽しみに「やっと念願がかないます」と
喜んでくださったのが
震災のほんの前の事だったので
ずっと安否が気になっていました。

私の手紙が今日届いたと
お電話を頂いてご無事がわかった。
機織り機も、他の糸も大丈夫だったと
声を聞いてとてもうれしくて
よーし!仕事頑張るぞーっ!と
気合が入ってきました。

まだどんな風に糸を使うかというデザインも
はっきりとはしていませんが
小林さんに少しでも元気になってもらえるような
素敵なものになればいいな…というよりしなければ!
と、安堵と張り切りの一日でした。