三椏 | 紙漉きの女房になって ~石州勝地半紙~

三椏


庭や畑の土がボコボコしているので、
イノシシが出たかなと近づいて良くみると
盛り上がった土があちらこちらにあって
どうやらモグラのしわざらしい。
それにしても土の中を移動して
こんなに沢山の盛り上がった土を
作るなんてある意味凄い。
イノシシの鼻の力も感心するほどものすごいパワーで、
畑を耕す「耕運イノシシ」に調教できないものかと
真剣に考えてしまうほどだ。

盛り上がった土の横に、5センチほどの高さのキンポウゲが
昨日の暖かさに咲き急いで、小さな花を咲かせていた。
今朝はうっすらと雪化粧した朝だが、
モグラもキンポウゲも早い春の知らせのようだ。

春早い時に一番目立つ花が「三椏(みつまた)」で、
和紙の原料である三椏はこのあたりでも昔は沢山栽培されていて
その名残が花のない時期に
山や道路際のあちこちで白い蕾を目立たせ、
じきに黄みがかった白い花の集まりが咲き始める。

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三椏は日本のお札の主原料としても有名で、
優秀な日本のお札は印刷もきれいで
ポケットにいれたまま間違って洗濯しても
ボロボロになることはないのは
きっと誰でも経験があるのではないだろうか。

繊維が緻密で光沢のある、漉いていてもうっとりするような艶があり
うちでは葉書の他に、写真を印刷する印刷紙も作っているが
和紙の原料のそれぞれの違いの特色がある印刷ができるところが面白く
猫や動物の毛の質感が本物のように表現できる。
でも人間の顔などの普通の写真には向かないようです。




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