望美「とびっこ……」


優「ん? 望美ちゃん、お鮨食べたいの?」


望美「鮨は食べたい。でもちょっと違う」


優「ちょっと……違う……ま、まさか!」


望美「なぜ顔色変える?」


優「だ、ダメだよ、そんなはなれたところから電波でオンオフなんて……」


望美「優がなにを言っているのかサッパリわからない。でもなんかそこはかとなくおもしろそうな予感。そっちに予定変更してもいいかもしれない」


優「ち、違うの? ……あ、あははははははっ!! 忘れて! ていうかわたしなんか言ったかな!?」


望美「アヤシイ……検索してみる」


優「おぉおぉお鮨食べに行こうか! なんでも好きなもの頼んでいいよ!」


望美「うん。行く」


優「ふぅ……」


望美「とびっこ……」


優「そ、それはなにを意味してるのかな?」


望美「ブログ当番を五人ほど飛ばした」


優「あ、ああ……そういえば、とまってたね。まぁ、みんな忙しいみたいだから……」


望美「はなれたところから電波でオンオフすればいいかもしれない」


優「それはちょっと、だいぶ、とんでもないことになりそうだから、や、やめとこ? ね?」


望美「どうとんでもないのか、れっつ検索」


優「『ししゃもっこ』って言った方が現実的かな! うん、きっとそう! ししゃもっこで検索してみて!」


望美「ししゃもっこ……優が言うとなんかエロす。なんでとびっこがししゃもっこにチェンジ?」


優「とびっこはトビウオの卵で、ししゃもっこはシシャモの卵なの。駅前のお店でとびっこ頼むと、ししゃもっこだから」


望美「……食品偽装?」


優「そ、それほど大げさなものでは……暗黙の了解っていうか、回転だし?」


望美「私にご馳走しようというのに回転ですませるつもりだったとは……」


優「えぇっ!? 本格的なとこなんてわたしのお小遣いじゃ無理だよぉ……」


望美「じゃあ咲を呼ぶ」


優「多分怒られるからやめた方がいいと思います……回転でもおいしいところはおいしいから」


望美「優の舌を信じろと」


優「う、うん……」


望美「らじゃったのだ」


優「ほ……よかった」


望美「イマイチだったら優をはなれたところから電波でオンオフする」


優「…………」


望美「なんで真っ赤?」


秋 史恭@脚本(*´Д`)