トゥルットゥルッ、ヒーホー、ガチャッ
???「俺だ。――なに!? 俺より望美想いのパパさんだと!?」
???「96時間一睡もせずに愛し続けたっていうのか!?」
???「信じられない……信じたくない!」
咲「…………」
???「きゅうじゅうろくじかん」
咲「人の枕もとでなにやってんだよ……」
望美「おはよう」
咲「まだ寝て一時間も経ってない。で、人の枕もとで――」
望美「睡眠学習? これを毎晩繰り返せば嫉妬に悶え狂う咲のできあがり」
望美「『ならば俺は256時間耐久にチャレンジッ』とか言いだすと思う」
咲「ヘンな方向に洗脳するのやめろ! 普通に死ぬだろうがッ」
望美「したくない?」
咲「ない」
望美「咲ってもしかして801部隊だったの?」
咲「そんなものに心あたりはないが……なんだよ801部隊って」
望美「大まんが祭で仕入れた本にこんなものが」
咲「……なんで俺と将太がヤッてんだよ! 事実無根だ! あり得ない! 没収!」
望美「あー」
咲「そんな顔しても返さないぞ」
望美「くそぅ、映画館へ直行だ」
咲「なんでいきなり映画館……って、そういえばさっきの台詞どっかで聞いたことあるような……ああ、映画のCMか……」
望美「映画館へ直行だ」
咲「……もしかして、そっちが本題なのか?」
望美「いいか、落ち着いてよく聴くんだ。……おまえもさらわれる」
咲「なにがなんでも俺を連れて行く気、と」
望美「言っておくが金はない」
咲「……わかってるけどさ。観に行きたいなら行きたいってわかりやすく言え」
望美「行きたい。今すぐ」
咲「はぁ? ……もう夜だし」
望美「いえすミッドナイトショー。人気のない映画館でイチャイチャ」
咲「イチャイチャしたくなる内容じゃないと思う……」
望美「パパさんの暴走する愛情に咲も暴走しちゃうかもしれない。でも映画館で咲が迸っちゃうのはダメかもしんない」
咲「あたり前だ。かもしれないどころじゃないぞ」
望美「ギリギリで私が迸っちゃうところまで?」
咲「全然ギリじゃねぇよ!」
望美「……わかった。じゃあ帰り道で」
咲「……通報していいですか?」
望美「信じられない……」
咲「信じたくない!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
行きたい(;´Д`) もう何ヶ月も映画見てないので映像的潤いを補給したいです。
秋 史恭@脚本