何周も回って元にもどるのか | 香散見草

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三者三様徒然記+
~テーマごとに綴る三人の随筆PLUS ONE~

【最後の晩餐】

【rozann】


 最後の晩餐で食べたいものを考えた時、簡単ではないな、と思った。

 一番好きなのは焼きそばで、やってみたことはないが、毎日食べても多分飽きない。でも、そうなると、好きなだけに日常であって、最後の最後がそれでいいのか、とも思うのだ。でも嫌いなものはもちろんのこと、どうでもいいものを選ぶことはないわけだから、一番ではなくても好きなものだろう。

 候補はいくつかある。まずは鰻重。祖母の家の隣が鰻屋で、遊びに行くと必ず食べてたので大好物だ。頻繁に食べるわけではないし、ご馳走感は半端ない。

 お寿司や海鮮系も捨てがたい。福島で最初に美味しいと思えたウニ。北海道で絶品だと思った海鮮丼やウニイクラ丼。北海道は回転寿司も格が違った。海鮮は新潟も。ノドグロの炙り寿司。九州では呼子のイカ。博多の居酒屋飯も最高だ。広島のお好み焼き。大阪のお好み焼き。高知のカツオ。山口のフグ。名古屋飯。

 挙げればキリがない。味もすぐ思い出せるほど、美味しかった。どれも食べたい。時間をかけて思い出せば、まだまだあるだろう。

 おじいちゃんは死ぬ直前に大好物の蕎麦を食べたらしい。やっぱり最後は普通に焼きそばが食べたくなるのかな。