原爆が落ちた街,絶対に忘れてはいけないこと | 香散見草

香散見草

三者三様徒然記+
~テーマごとに綴る三人の随筆PLUS ONE~

【広島】

【rozann】

 

 先日,広島を訪れた。広島観光中のふとした瞬間によく思うことがある。人間の力は凄いな。ご存じの通り,原爆を落とされて壊滅状態になったのが78年前。テレビや教科書で見る写真を思い出すと,よくここまで戻したなという純粋な驚き。今回は観光スポットではない街なかを歩いたので余計にそう思った。
 観光スポットや夜の繁華街を歩いていると,被爆地であることなどすっかり忘れる。宮島の景色は美しいし,お好み焼きや牡蠣は美味しい。それでも忘れてはいけないのは,原爆投下の歴史の上に今があるということだ。原爆ドームは人類への戒めとしてそこに立つ。平和だからこそ,時に過去の失敗を思い出して戒めないといけない。
 数年前のサッカー観戦の折に,原爆資料館や原爆ドームに立ち寄る提案をしたが,気持ちの準備が出来ていないから,と却下された。翌年,翌々年と同様のチャンスがあったが,結局行くことはなかった。
 楽しい観戦旅行に水を差すつもりはないが,気持ちの準備なんて言い訳だ。気持ちなんて準備しなくても過去をしっかりと受け止め,普通に生活することが大切だ。同じ過ちを繰り返さないように自分の出来ることをすればいい。
 畏まる必要なんてない。