ネコカフェのチラシを街でもらいました。
師走の街をいろんな思いを抱えてみんな歩いているわけです。金策に、いやそれどころか職探しに皆躍起になったりしているわけです。
生活が苦しく、懐が寒いと気持ちまで凍えてしまいそう。あぁ寂しいなぁ…なんて顔して歩いているその目の前に、大きめのダウンジャケットを着た女の子がか細い声で、おねがいしまーす、なんて言ってこのチラシを手渡たすのです。手渡された方は、ちっちゃな女の子が寒そうに震える手で健気に差し出すチラシ。
~妄想開始スタート~
『あ、ありがとう、寒い中頑張ってるね、うんうん、受け取るよ、お仕事頑張ってね、ところでこのチラシはな~に?』
『あ、コレはネコカフェのチラシです、かわいいネコちゃんが沢山いますよ、ぜひ癒されていってください』
『そう、じゃちょっと寄っていこうかな』
な~んて感じでカフェに入って行き、
『50匹いるネコちゃんの中から選び放題って聞いたけど? 』
『えぇ、そうなんですけど今混んでるんでこの子になりますぅ』
とやってきたネコはやたらデカくてふてぶてしく、人間に例えるとマツコデラックスって感じ。しかもやって来た早々ゲーゲーといいはじめ思いっきり毛玉を吐きました。
『なんだよお前…も~う…しょうがないなぁ…ところで、お前なんていう名前?』
『え、オレの名前っすか?オレ海老蔵っていいます、よろしく』
『…』
それでも少しすると海老蔵もだいぶなついてきて喉をゴロゴロいわせはじめました。
『お前もそれなりにかわいいんだな』
『ども、ゴロゴロ』
ところが店員がやってきて、
『お時間でーす、延長なさいますかぁ?』
差し出された伝票を見ると、
1時間1200円
30分延長毎に600円…
『…あ、いや、もう出ます…じゃあな海老蔵』
『…ニャ…』
~妄想終了~
地獄の沙汰も金次第と申しますが、一時の癒やしを求めるにもお金なんですね。世知辛い世の中です。
ネコカフェってビジネスはできるべくしてできたんでしょうね。ネコを触るにもお金かかるって、寂しいですね…つけこむとまでは言いませんが、微妙な商売って気もしますね。
わかっちゃいるけどある日ふと思い出して、
(今ごろどうしてるかなぁ海老蔵…)
遠い目をしてそんなこと考えてる人きっといるんじゃないかなぁ…
おわり
次回の妄想劇場お楽しみに。