歯医者に行くと色々考えます。
体の中で歯は最もわかりやすい消耗品です。丁寧に使えば長持ちしますがそれでも確実に磨耗していきます。そのくせ死んで体が朽ちても骨と歯は残り、今時は正体不明遺体の個人の特定にも使われたりします。爪や髪のように生えてきたりしないのに最後まで残るんだから不思議です。
最近の歯医者の椅子はベッドのようにほとんど横になるし、至近距離で医者と目が合うのもなんだから目を閉じるので余計色々思い巡らすのかもしれません。
治療した歯を思うと自分の過去が蘇ったりしませんか?今まで頑張ってくれたんだな、と誉めてあげたくもなり、また、オレも随分長いこと自分やってんだな、なんて考えたりします。僕の場合幼い頃のことも思い出すのでなおさらかもしれません。
幸せを噛みしめる、なんて表現もあるくらいだからきっと昔から歯は自分と対話するきっかけに使われていたんだろうなぁと思います。