昨日、大阪弁護士会館において開催された市民シンポジウムに参加しました。


6

これは、シンポジウムのチラシです。



シンポジウムでは、たびたび起こってしまう≪冤罪事件≫を防ぐための手段の一つとされる【取り調べの可視化】について、実際の事例を元にした講演や公開討論などが行われました。


事例は、『袴田事件』・『名張毒ぶどう酒事件』・『東住吉事件』・『布川事件』の4つでした。


いずれも、事件から20~50年もの月日をかけて、再審開始や再審請求中、無罪となっているものです。


『袴田事件』については、今年3月にマスコミ報道がされたばかりなので、記憶に新しいと思いますが、袴田巌さんの実姉:秀子さんが、実体験を話されました。


また、『布川事件』については、29年間、刑務所に囚われた後、無罪を勝ち取られた桜井昌司さん本人が実体験を話してくれました。



そして、後半は、江川紹子さんによる講演が行われました。


4

遠くて見づらいですが、前で話されているのは、江川紹子さんです。



≪冤罪事件≫を防ぐためにはどうすればいいのか?という視点で議論は進められ、証拠開示や録画・録音を求めていくというものでした。


裁判においては【被告人の自白】が重視される点があり、取り調べの可視化(録画・録音)は、その自白に至った過程を透明化させるには、有効だとされているためです。


確かに、カメラ録画やレコーダーによる録音は、現代的で合理的な手法です。


しかし、一方で、可視化によるデメリット(冤罪は防げるが、犯人が逮捕しづらくなってしまう等)が指摘されている記事を目にしたこともあります。


これらについては、現在、国の法制審議会(新時代の刑事司法制度特別部会)において、議論が重ねられていますが、結論には至っていないようです。


可視化の賛成派・消極派、いずれの主張にも、大義があるはずです。


しかし、不幸にも、≪冤罪事件≫が起こってしまうと、無実の罪に問われた方の一生が奪われ、真犯人が捕まりにくくなり、国家賠償や掲示訴訟に国民の税金が使われることになります。


その結果、誰一人として、幸せになれないということです。ですから、冤罪事件は絶対にあってはならないものです。


今回は、可視化賛成派のお話を聞かせていただきましたが、相反する趣旨のシンポジウムなど機会があれば、参加したいものです。


三権において、≪立法≫・≪行政≫に比べ、普段はほとんど接することのない≪司法≫について、考えさせられた貴重な一日となりました。