先日、泉北環境整備施設組合議会の行政視察で、四国を訪れました。


初日の視察先は、香川県高松市にある≪南部クリーンセンター≫でした。


高松市は人口約42万人、香川県一の都市です。


この都市のゴミ処理の一翼を担う当センターは、敷地面積140,000㎡、平成16年に約40億円をかけて大手ゼネコンによって建設されたものでした。


施設内には、随所に最新システムが駆使されており、敷地内には、ゴミ焼却余熱を利用した温水プールも併設されていました。


2

 

1

 



続いて2日目は、徳島県勝浦郡上勝町の≪ゴミ集積施設≫でした。


上勝町は、高松市とは対照的に、人口約1,700人で高齢化率が50%の村です。


近年では、高齢者による、料理に添える葉っぱや枝を出荷する≪葉っぱビジネス≫でマスコミ報道がされている村です。


この村の驚くべき取り組みは、『各世帯から出るゴミの回収を行っていない。』ということです。


つまり、≪全量持ち込み方式≫で、各家庭が、この場所に自らゴミを持参するのです。
ただし、身体の不自由など特別の事情があれば、2ヶ月に1度だけ行政が回収します。


ただし、ゴミとは言いましても、徹底的に分別をし、業者に売却などリサイクルを行うため、ゴミにはなりません。分別種類は34分別、実質的には60分別となっているようです。


唯一、生ゴミだけは、各家庭で堆肥化などの処理がされています。


3

 上勝町は日本で初めて、『ゼロ・ウェイスト(無駄・浪費・ゴミをなくす)宣言』を出されました。



4

黄色の丸で囲まれた数字が分別数を表しています。
 


5

 『洗浄のお願い』が徹底して守られているようで、場内は不快な臭いは一切ありません。
 


6

 こちらは、『リユース(再利用)』の拠点施設です。館内にあるものは、ゴミとして持ち込まれたもので、無償で持って帰ることができます。
 


平成15年当時、34分別の実施にあたって住民の理解を得るため、度重なる説明会が開催され、その回数は百回を軽く超えたそうです。


確かに、上勝町での取り組みは人口が少ない自治体のために実現できたものだと思われがちですが、現に、海外の多くの都市(アメリカ:サンフランシスコ、オーストラリア:キャンベラ他)においても『ゼロ・ウェイスト宣言』が出されています。


また、日本においても、人口40万人の東京町田市を始め、神奈川県逗子市などでも『燃やさない・埋めない』を掲げたゴミ・ゼロ政策が行われています。


ゴミの最終処分方法については、どの規模の自治体でも抱えている大きな課題です。


本市においては、高石市・泉大津市と共にそれぞれの自治体が負担金を出し合い、共同してゴミ焼却施設を運営していますが、この負担金の額は持ち込まれるゴミの量によって決定されています。


つまり、ゴミの量を減少させることができれば、それに比例して和泉市の税金の投入額(市民の負担)も減少することになるのです!


皆さん、ゴミの収集は、毎回お金を支払うものではないため、≪無償:タダ≫だという誤解をされてはいませんか・・・!!


すでに高石市と泉大津市は、一般家庭のゴミ収集が有料化されており、これによってゴミの発生量は減少しているようです。


本市においても、ゴミの減量について真剣に取り組むべき時期が来ています。


今回、対照的な2つの施設を視察させていただきましたが、今後のゴミ行政・組合運営において、実りあるものとなりました。