例年、大正大学時宗研究会の学生を連れて、全国に点在する一遍上人の遺跡をはじめとして、時宗有縁の地を回る研修旅行。本年は、時衆誕生の地でもある大分県へ、そして、福岡県を訪ねました。

 熊野で熊野権現より神託を授かり、京都から西海道を経由して故郷伊予に入った一遍上人は、その後、太宰府・原山に居る師僧聖達上人のもとを訪ねます。その後、大隅正八幡宮(現、鹿児島神宮)を参拝するなど、九州地方を遊行しました。そして、伊予に戻る際、豊後守護大友兵庫頭頼泰邸で供養を受けます。そのとき、他阿弥陀仏と対面し、法談をする中に同行相親の契を結んでいます。同時に七八人が出家し、同行していることから、この大友頼泰の邸こそ、時衆誕生の地と言えます。本年、二祖真教上人七百年御遠忌の年でもあるため、大友頼泰の邸を訪ねて大分に赴きました。しかし、資料が探せず、手がかりを求めて大友館跡を訪ねました。

 現在の大友氏館は、十代大友親世の代からのものと考えられています。そのため、大友頼泰の邸がどこにあったのか、今のところ不明とのことでした。しかし、整備が進められている大友氏館や南蛮BVNGO交流館http://www.facebook.com/oita.otomo があり、大友氏館の賑わいを知ることができます。

 その後、大友頼泰の墓参を行い、読経しました。