ピッツァと鉄に魅せられて | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

おいしいピザを食べたいのならここ。
と勧められつつも未踏だったこのお店。
徒歩圏内にも関わらず。

聖林館
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マルゲリータ!

期待を裏切らない味。生地のもっちり感と
トマトのジューシーさでなんともいえぬ心地に。

「ピッツァのメニューはマルゲリータとマリナーラのみ」

という男っぷりにも脱帽。

で、ここからが本題。
期待以上だったのが建物。

お店の大体の場所はわかってたのに通りすぎてしまった。
明らかにピザ屋ではない。

牢獄にもみえるし、鉄仮面舞踏会を夜な夜な開催している
アイアン・鉄夫�世(混血)のお城ともいえる。
鉄の門扉が私の気分をすこぶる高揚させた。

店内、じゃなくて館内に足を踏み入れ、また鉄の螺旋階段を
上ったときに確信。
この聖林館とは、とんでもない人々の叡智の賜物だと。

で、後日いろいろ知って納得。

鉄鋼アーティストの倉田光吾郎さんが
すべてを手掛けている建物だった。

いろいろすごい。

まずは建築家ではなく、鉄の専門家の倉田さんに
すべてお任せしてしまう店長、じゃなくて館長はとんでもない人だ。

なんでもその背景には
「普通の建築家に頼むと、普通にピザ屋になっちゃう」
から、と倉田氏の制作日誌に書かれていた。

ピザ屋作れって言うんだから当たり前でしょうが、、
というつっこみも笑える。

そこからのリンクを辿ってこの方の経歴を辿ると、
新国立劇場の『フィガロの結婚』で舞台装置制作を担当したり、
『装甲騎兵ボトムズ』の実物大スコープドッグ製作をしていたり!
そして今、「カストロール1号」という

エンジン駆動フリーキックマシン

というのを作っているらしい。
詳しくは公式HP


すげくない?
来週の月曜日お披露目だって。

子供にも、大人にも、出来ない。

少年の心を持つオトナはこれだから素晴らしい。


倉田さんの、冷静且つ情熱的な制作日誌を
読んでるだけで泣きそうになったのは、自分の
エネルギーが切れてきてるからではないはず。

「深夜特急」
只今インドはカルカッタ。
毒書になりつつあります。

睡眠時間が!