芸術祭十月花形歌舞伎 夜の部 | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

猿之助四十八撰の内
『通し狂言 當世流小栗判官(とうりゅうおぐりはんがん)』

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小栗判官兼氏/浪七/娘お駒  亀治郎
照手姫  笑 也
鬼瓦の胴八  右 近
横山次郎/膳所の四郎蔵  猿 弥
後家お槙  笑三郎
浪七女房お藤  春 猿
横山郡司  寿 猿
横山三郎  薪 車
局 藤浪  竹三郎
矢橋の橋蔵/上杉安房守  獅 童
遊行上人  愛之助
横山大膳  段四郎

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「スピード・スペクタクル・ストーリーという

「3S」

を活かした見どころ満載の作品です。」

という宣伝文句の通り、


まったく飽きさせない趣向。

締める所は締めるし、
ゆるめるところはゆるめる。


心底、このお役を猿之助さんの後に
出来るのは亀治郎さんしかいないと思った。

しかも小栗判官/浪七/娘お駒 三役ですよ。


これでもかっていう位、遊んでましたが、
獅童さんのキャラクターの入れ方も効果的で、
ほんと、今まで歌舞伎をあまり観ていないビギナーさんに
推薦したい演目。



国立劇場以外で、あまり通し狂言はやらないけど、
ここまで一貫した演出、演目なら絶対やるべき。

またこぼれ話ですが、初日の終演後に、
照手姫を勤める市川笑也さんに

賞状とガラスの靴

が贈られたのだそう!

なんでも今回の上演にあわせ設けられた

「シンデレラ賞」

という特別賞を猿之助さんから授与されたとのことで、


笑也さんは『當世流小栗判官』に
昭和58年の初演から出演し、最初は


「馬の脚」


を勤め、

平成5年より照手姫を勤めるようになり、

その研鑽に対しての表彰となったとのこと。



馬の脚から姫へ変身するなんて、ほんと
現代のおとぎ話のよう。

ええ話ですなー



終演後、現在は埼玉の劇場で働く
高校時代の友人とごはん。

芸術系ではない私の母校(しかも外国語科)で
そちらの方面に進む子はとってもレアな存在。

高校時代の友人と芝居の話が出来るって素敵。


でも私は彼女の才能に在学時代から知っていた!
(←なぜ威張る)

というのも

現代文の授業で、

「詩を書いてクラスのみんなに見せて、しかも気に入ったのに投票する」

という超恥ずかしい授業があったのですが


そのとき、彼女の

「ミシン」
という詩がすごく
印象的で投票したのを今でも覚えている。



ちなみに私は

「赤い海」

とかそんな感じだった気がする。




たぶん、血、関連。



ホラー!!




ちなみに一回目出したとき、
その国語の先生に
一行以外
全面書き直させられたのも
いい思い出です。