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「捨てずに食べる」レストラン続々 マイナーな魚、流通外の熟れすぎトマト…

産経新聞 [11/22 16:34]
JAうつのみやの選果場には、レストランのシェフらが規格外のトマトを引き取りにやってくる。形はユニークだが、赤いトマトはおいしそうだ(写真:産経新聞)
アジや真鯛に混じって捕れてしまったマイナーな魚や、熟れすぎて出荷できなかったトマト。通常の流通には乗らず、“捨てられて”きた食材をあえて利用する飲食店が最近、増えてきた。スーパーの棚にはいつも同じ魚や野菜が並び、「自然の恵み」さえ思い通りになると錯覚しがちな現代人の食生活。しかし、こうした店の存在に、それは思い過ごしと気付かされる。(津川綾子)

≪コラーゲンも豊富≫

「魚は『畑の野菜』みたいに『いつでも』とはいかない。今日はありませんね」。今月、東京都港区にオープンした魚料理中心の和食店「味彩(あじさい)せいじ」の店主、平原成二さん(35)が客に、注文した魚の入荷がないことをこう伝えた。

客が注文したのはヒラメといった有名魚ではなく、「ガンギエイ」。ヒラメやカレイの刺し網漁で時々かかる魚種だが、市場にはほとんど流通しない。「味彩せいじ」に魚を卸す「ZEN風土」によると、多くは漁師が自家消費するか、海に捨てられることもある。だが、煮付けるとコラーゲンが豊富でおいしいという。

「味彩せいじ」は日本近海の海の幸にこだわり、一般的な流通には乗らない未利用魚やマイナー魚も積極的に客に提供する。値段は時価で、これまでにマイナー魚の「ヒメジ」の空揚げ、一度だけヤドカリのみそ汁も試した。

「捕れても泣く泣く捨てられる海の幸がある一方で、人気の魚種は常に店頭で切らさないよう輸入するものもある。自然の恵みなのに…」