乾物・加工品
干すことで倍増する食べものの力
切り干し大根、干しいも、干ししいたけ、干し柿。日本古来の加工食品には、みんな「干す」という字がついているとおり、私たちは食べものをお日さまに干して、保存食をつくってきました。干すことのメリットはいろいろ。まずは水分が飛ばされますから腐りにくくなります。太陽エネルギーをとり込んで味も深くなり、うまみや甘みが増します。ビタミンやその他の栄養素も凝縮されたり合成されるなど、プラスに働く変化が次々と起こります。
陰陽からいっても、陰性の食べものを陽性に変えることができるという点で、乾物は非常にすぐれた食べものになっているのです。最初にあげた乾物以外にも、夕顔の実からかんぴょうが、豆からはるさめ、小麦から麩、豆腐から湯葉や高野豆腐、海藻から寒天など、干すことによってさまざまな加工食品がつくられています。豆腐の加工食品では、熱や油を加えることで余分な水分をとり去り、うまみを凝縮した油揚げや厚揚げなどもあります。
これなども熱という陽性さを加えている点で、食べものに陽性におパワーを倍加させていることになります。乾物の加工品の場合、かなり長期に保存がききますので、いつでも手軽に利用できるのが長所です。
また、乾物には現代食に少ないビタミン・ミネラルや食物繊維が豊富ですので、食卓のバランスをととのえるのにもってこい。野菜に豆腐や小麦の加工品を組み合わせれば、野菜に少ないタンパク質や亜鉛や鉄分も補給できて、“おいしいバランス”が誕生します。とくに切り干し大根と高野豆腐などの組み合わせは、冷え症や低血圧、貧血のかたに最適です。五穀の豆や海藻類も、いわば乾物の代表です。日本人の知恵が生み出した、日本の食文化を支える乾物たちをもっと賢く使いまわしてみましょう。