新発売から一カ月もたたないうちに12,000台の注文と、好調なスタートを切った新型インプレッサ(まぁ、最近の新型車は必ずこういう売れ方をするので、半年後に月間販売目標2,500台と比較しなければ正しくは好調とは判断できませんが。。。)、ようやく試乗に行ってまいりました。

とてもいいお店なのに、なかなか貢献してあげられない(カミさんのクルマ、N-WGNではなく、ダイハツムーヴのOEM車、ステラにすれば良かったとかなり後悔しています。。。)静岡スバル浜松北営業所へFIAT PANDAを走らせます。お客様駐車場に「前向き」に停めると、すぐに女性スタッフが出迎えてくれました。名札には初心者マークが。新入社員さんなのですね。静岡スバルは静岡県清水市の機械メーカー静甲株式会社のグループ企業、いい会社に入りましたね♪

初々しい女性スタッフに促されて簡単な試乗手続きをすると、鮮やかなブルーメタリック(クオーツブルーパール)のインプレッサスポーツ(5ドアハッチバック)が入り口前に運ばれてきました。するといつもお世話になっているO氏も一緒に現れてくれました。

私:「いつものように一人で乗ってくればいい?」
O氏:「同乗でもお一人でもお好きな方で」
私:「じゃぁ、付き合ってくださいな」

 

と言うことで男二人のショートドライブと相成りました。グレードは最上級の2.0i-S Eyesightです。エクステリア、いいですねぇ。ちょっと見は旧型のイメージを引き継いでいるのですが、全高が明らかに低いし、私がこだわるボディサイドのプレスラインが美しい。フロントホイールアーチの膨らみのハイライトがドアの前くらいで消えながら、ドアミラーの下で直線に変わり、リアドアハンドル手前で跳ね上がりまた曲線に変わり、テールライト上端に繋がっていく。そしてその上部には、フロントフェンダー部の曲線と、テールライトに繋がる曲線の頂点を結ぶ直線のキャラクターライン。さらに、ボディ下部にはフロントホイールセンターと同じ高さの直線が走り、リアドア後部で緩やかに上方に跳ね、リアバンパーのキャラクタラインに繋がっていく。
3本のキャラクターラインを持つサイドビューデザインは最近よく見かけますが、インプレッサのそれはとても美しいと思います。試乗車はサイドに大きなデカールが貼ってあり、その美しさをスポイルしていますが、カタログの写真は結構長い時間眺めていることができます。
 惜しむらくはフロントオーバーハングがあと70~100mmくらい短いと私の好みのプロポーションになるのですが、これは縦置き水平対向エンジン&AWDということで仕方のないことでございます。

さて、運転席に乗り込み、電動アジャスタでシートポジションを決め、チルト&テレスコピックでステアリングのホイールの位置を合わせます。
インテリアも、いいですねぇ。メーター周りは同径のアナログスピード&タコメーター、そしてその間にマルチインフォメーションディスプレイ。さらにEyesight関連の様々な情報を映し出す横長のディスプレイはインパネ中央上部に、純正NAVIはコンソールの最上部で、とても情報を得やすいレイアウトです。

一見ごちゃっとしたステアリングスイッチも左側にオーディオ系、右側にはクルーズコントロール系がまとめられて使いやすそうです。
そして黒基調の中にマットシルバーやカーボン調パネル、白色のステッチなどで加飾されたインパネはかなりの高級感で、たぶん今までのスバル車で最もクオリティが高いと思います。先代のインプレッサが出た時にも「W204メルセデス(Cクラス)よりもいいよこれ」と感じましたが、それをはるかに凌ぐ出来です。ただ、W205メルセデスはとんでもないクオリティにぶっ飛んじゃいましたが。。。でも260万円以下のクルマでこのクオリティは文句なしです。

(画像はSUBARUのサイトからお借りしました)

さぁて、走り出す前にずいぶん書いちゃいましたが、CVTのセレクターをDレンジに入れスタートします。私は試乗時に必ず最初にやることがあります。それはブレーキのストロークの確認なのですが、ここでびっくり!スバル車というとブレーキが利きだすまでのストロークが長いのが特徴(踏むにつれて制動力が増す)だったと思うのですが、ちょっと踏んだらいきなりキュッと利いたので、急制動のようになってしまいました。

私:「え?こんなセッティングじゃぁなかったですよね?」
Oさん:「ええ、このインプレッサから大きく変わりました。やはりドイツ車を意識しているのでしょうかね。。。」

先々代レガシィB4(BL5)を愛用しているときに、W204メルセデスCクラスに220㎞ほど試乗したことがあります。その試乗を終え、自分のB4に乗り換えて一発目のブレーキで「わぁ!ブレーキ抜けてる!」と感じるほどストロークが長かったスバル車も今は昔なのですね。。。私はこの遊びの少なさと、制動力がストロークではなく、踏力に比例するセッティングは好みです。当然2発目からのブレーキはきっちりスムースに操作できましたよ♪

さて、走りです。2L直噴NAエンジンは154PSの最高出力を6,000rpmで、20kgfmの最大トルクを4,000rpmで発揮しますが、パワフルなエンジンではありません。狙いはスムースさですね。発進から加速、クルージングと、実にスムースな走りを見せてくれます。でもやはりこの時代、Turboでないとパワー不足を感じてしまうのでしょうね。。。私の嫌いなCVTですが、やはりSUBARUのリニアトロニックは違和感が非常に少ないです。もし自分の愛車にするとしても許容範囲でしょう。途中、スロットルペダルを7割くらい踏む加速を試したところ、タコメーターの針がステップ的に落ちたので、もしかしたらWRX-S4のS#モード(疑似的8速ステップ変速)のような仕組みになっているのかな?と思い、カタログで確認したら「アクセルが高開度になるとステップ変速になる制御を全車に搭載」と書いてありました。やはり私の感覚は合っていた!ちなみにインプレッサの走行モードは"I=Interigence"と"S=Sport"だけで、レガシィやWRX-S4のような"S#"モードは搭載されていません。
動力(加速)性能はもう少し高くてもいいのではないかなと思います。今回はPANDAで行ったわけで、直前までBMW 320dに乗っていたのではないので、正直な印象です。

 

静粛性も高いです。新型AUDI A4の「無音エンジン」レベルではありませんが、心地よいエンジン音が少し遠くから聞こえてくるというものです。また、先代インプレッサで少し気になったCVTのチェーン音は全く聞こえませんでした。


このインプレッサから使われ始めたブランニューのプラットフォーム、Subaru Grobal Platformですが、その効果は足回りの動きに一番表れていると感じました。225/40-R18というぺったんこのタイヤをはいているとは思えない突き上げのなさ。これはBMW F30を超えていて、新型AUDI A4レベルに仕上がっています。新発売までに足回りのセッティングを詰め切れないホンダ車とは大違い!

 



総評です。デザイン、エクステリアとも現行スバル車で最高のクオリティ!ボディサイズも全長4,460mm(G4は4,625mm)、全幅1,775mmとちょうどいいサイズ。惜しむらくはエンジンがもう少しだけ元気だといいのですが、世界最高の安全装置Eyesightが作り出す安全性とイージードライビング、静粛性でロングツーリングも快適(シートの座り心地はいいですが、お尻が痛くなるかどうかは長距離乗らなきゃわかりません)だと思います。

少なくともこのクラスでの国産車では、マツダアクセラとともに自信をもってお勧めできるクルマです。こんな上質な車が260万円以下のプライスタグで売られるのですから、富士重は凄いですね!レヴォーグの1.6GTが280万円弱なので、そっちが売れなくなっちゃうのじゃないかと少し心配になるくらいです。

間違いなく私の次期仕事の相棒候補にランクインです!あ、もちろんG4をチョイスしますが^^

 

「(12月に販売開始される)1.6Lにも試乗しに来ますね!」とO氏に約束してPANDAに乗り換え、お店を後にしました。1.2L NAエンジンとシングルクラッチ2ペダルMTで一生懸命走るPANDA君、こういう車をSUBARUでもまた作ってくれないかなぁ。。。JUSTYが懐かしいですね。。。