ルノーからまた魅力的な車が出ましたねぇ。。。ルーテシアZENです。3気筒900㏄Turboの小さなエンジンを5速マニュアルで走らせる、車好きにはたまらない組み合わせです。価格は208万円、マツダが世界に誇るコンパクトディーゼル、デミオの最上級グレード(XDツーリングLパッケージ)が204万円なので、普通に判断すればデミオなのですが、ルーテシアには何とも言えずひきつける力があります。

という事で、浜松では唯一のルノー正規ディーラー、ルノー浜松に行って参りました。到着したのは1/12(成人の日)のAM10:30、現在ルノーのインポーター、ルノーJAPONは日産自動車の100%出資子会社になっています。ルノー浜松は静岡日産入野営業所の一角にあります。

愛車プジョー206cc S16で駐車場に入ると、スーツ姿のセールスがすかさず「いらっしゃいませ!」
私:「ルーテシアの新しいの見に来たのですが。900㏄のやつ。」
セールス:「は?900㏄ですか?????」
と完全にちんぷんかんぷん。名札には「静岡日産」の文字が。そりゃぁ仕方ないや、「ルノーのフロントに連れてってくれればいいですよ。」

ルノーのフロントは男性が一人だけ。お茶は静岡日産の女性が運んできてくれました。まぁ、そう数が売れるわけではないので仕方ないのでしょうねぇ。。。

「ルーテシアのZENが観たいのですが」
「あいにく展示車も試乗車もないのです。カタログをお持ちしますね。」

かなり立派なカタログを持って来てくれました。

「今お乗りの車は・・・ あ、プジョー206ですね。」
「はい、仕事用にはBMWがあるのですが、セカンドカーはマニュアルミッションしか乗らないので。ルーテシアで試乗できるモデルはありますか?」
「RSならありますが、どうされますか?」
「是非」

という事で、ブラックメタのルーテシアRSが入り口に運ばれてきました。

 
 

最近の特長のあるルノー顔、実はあまり好みではないのですが、ブラックのボディカラーに紛れて気になりません。18インチのぺったんこなタイヤとツインエキゾーストが精悍です。女性のウエストのようにくびれたサイドシル部と、膨らんだリアフェンダーの造形は実にSexyです♪

「RSにもいろいろありますが、この車は?」
「シャシーカップです。RSをお買い求めになるお客様には人気のグレードです。」

という事で運転席に乗り込みました。

 

ブラックで統一されたインテリアに赤いステッチ、そしてエアコンの吹き出し口など数か所にあしらわれたオレンジメタリックのアクセントが実にハイセンス。日本車では真似できないのがこういう所です。。。シートは結構固めですが、ホールド感が良く、タイトなコクピットと相まってスポーツカーの雰囲気ぷんぷんです。

 

カード型のキーをスロットに差し込み、コンソール左側のかなり離れた位置にあるスターターボタン(左ハンドルだったらベストな位置でしょう)を押すと、静かにエンジンがかかります。手動式のアジャスタでシートポジションを合わせますが、リクライニングは左手でダイヤルを回す方式で、無段階調整が可能です。

セレクタレバーをDにして走り出します。6速のデュアルクラッチロボタイズドMTはシフトアップは実にスムース、パドルでシフトダウンすると控え目なブリッピングをして回転を合わせてくれ、街乗りでもスポーティさを楽しめます。

同乗のセールスさんがSPORT MODEに切り替えてくれた時です。タコメーターの針が跳ね上がり、排気音も明確に聞こえてくる。アクセルオフでは積極的にシフトダウン。これは楽しい!このモードにすると吸気音を室内のスピーカーから流すそうです。シフトアップ時には「ボッ!」という音が聞こえ、まるで「音の静かなレーシングマシン」に乗っている気分です。

試乗コースは結構長く、制限速度80km/hのバイパスもあり、メーター読みで100km/hを少し切るスピードで走りましたが、ルノーの直進安定性の良さは聞いていたものの、ここまで素晴らしいとは思いもしませんでした。これは高速巡航も疲れないでしょうね!

さて、200PSにチューンされた1.6Lターボエンジンは実に魅力的であることがわかりました(このエンジン、日産製なんですね! JUKE NISMOと同じエンジンで、追浜工場で作られているとのこと。JUKE NISMOの評価が高いのはこのエンジンの魅力なのでしょうね)。次は脚周りです。

決して柔らかいとは言えない脚で、ブレーキング時のノーズダイブやコーナリングのロールは小さいです。しかも路面の小さなギャップを見事にいなします。これは我が愛車BMW320dよりはるかに上です。バイパスからR257に入ると一部路面がかなり荒れたところがあるのですが、セールスさん「ここの路面、補修しないでほしいんですよ。。。」 これはルノーの脚に対する自信の表れですよね。

ハンドリングも適度な重さで、FFの変な癖は微塵もありません。この排気&吸気音のハーモニーを聴きながらのワインディングもさぞ楽しいことでしょう。ボディ剛性も相当に高く、タイトなシート、ツインクラッチMTによるダイレクト感も相まって、車との一体感をこれほど感じたのはロータスエリーゼ以来です。

試乗中に感じた唯一の欠点は、交差点の徐行等、低速の特定のシチュエーションでギクシャクすることですが、これはツインクラッチですから仕方ないですね。

まとめです。高剛性ボディに18インチを履きこなす素晴らしいサスペンション、パワフルかつ官能的なエンジン(日産もやればできるじゃん!)、ドアミラーに映る、魅惑のリアフェンダー。こいつ一台あれば長距離出張と休日のワインディングの両方が高次元で楽しめそうです。スポーツハッチと言うよりも出来の良いグランツーリスモ、好敵手はGOLF GTiでしょう。ちなみに価格は純正NAVIを装着して総額370~380万円になるそうです。安くはないけど高いとも思いません。

で、乗ってきたプジョー206cc S16に乗り替えると。。。ルーテシアよりかなり緩いですが、フランス車っぽさはこちらが上でしょうか。そうだ、ルーテシアRSにはフランス車の匂いはほとんどなく、ドイツ車に限りなく近いのです。


という事で、次の仕事の相棒買い替え時に「ルノールーテシアRS」も候補入りです!ボディカラーは黒は嫌なので、ルノー顔の目立たない濃色を・・・と思ったら、ホワイト、シルバー、ブラック、レッドの4色しかないのですねぇ。。。フレンチブルーで乗りたいなぁ♪

そう言えば。。。ZENのことがすっかり頭から抜けていました。それだけRSシャシーCUPが刺激的だったという事ですね(*^_^*)