血圧は、血液の圧力によって血管壁が押される力のことを指し、心臓から送り出される血液の量と血管の硬さによって決まります。心拍出量が大きくなれば血圧が上がるため、脈拍が多くなると血圧が上昇することになります。つまり、血圧は脈拍の回数だけ変動することになります。緊張した時に、血圧が上がるといわれるのはこのためです。

 一般に運動すると血圧は上がります。これは、運動していると体内の組織への酸素や栄養分の補給が消費に追いついていかないため、脈拍や血圧を上げながら血流量を増やして対応しているためです。このため、運動すると血圧をあげてしまうので、高血圧になる原因になってしまうのではないかと心配になるかもしれません。しかし、運動にも無酸素運動と有酸素運動があり、運動を選ぶことによって血管などを鍛えることもできます。

 運動の中でも、無酸素運動は筋肉の瞬発力を出すために、血管にかかる圧力が非常に高くなるので、高血圧の人は避けるようにした方が良いでしょう。有酸素運動は、軽いウォーキングや水中歩行など筋肉を急激に動かすことがないため、脈拍を急激に増やすことなく血圧も比較的安定した状態を保つことができます。そのほかにも、高血圧の原因となる肥満の解消にもなり、徐々に脈拍を上げるために、血管を鍛えることにもなるので血圧を安定させることができます。

 脈拍は血圧と同様に、自分の健康状態を簡単に知ることができるバロメーターでもあります。脈拍数の平均回数は、成人の安静時で1分間に65回~80回といわれていますが、一日の生活の中で血圧と同じように変動します。就寝前のリラックスした状態では、50~80回と脈拍数は下がりますが、常に80回以上の脈拍がある場合にはストレスを感じている状態といえます。脈拍数が100回を超えるような場合には、心不全やホルモン異常などの何らかの体の異常が考えられますので、医療機関での診察を受けることをお奨めします。