しま:さて、今回はまず三国時代[220~280年]です!中国が魏・蜀・呉の三国に分割されているから三国時代ね!わかりやすい。

生徒:なるほど!よく聞く三国志ですね!

しま:まずは、それぞれの都と建国者を確認しよう!

魏…都)洛陽 建国者)曹丕

蜀…都)成都 建国者)劉備

呉…都)建業 建国者)孫権

で、三国時代ってのは主に魏と蜀との戦いなんですよ。例えば234年の五丈原の戦い。これ、魏の宰相である司馬仲達vs蜀の宰相である諸葛孔明とのバトルです!で、この諸葛孔明がまぁ~天才なんですよ。うかつに攻められない。ってことで兵糧攻めにしていたら、いつの間にか城壁の中に田んぼをつくっちゃったりするんです。ね、孔明変態でしょ?

 



生徒:いや天才でしょ!でも、ちょっとだけ聞いたことあります!「死せる孔明、生ける仲達を走らす。」って言葉ありますよね?

しま:よく知ってるね!結局孔明は病気で死んじゃうんだけど、それでライバルの仲達は「よし!これで心置きなく攻められる!」って思ったら、いつの間にか死んだはずの孔明が後ろに立ってるんです!!!「しまったぁぁぁ罠だったのかぁ!!!」みたいなね。それで仲達は引き返すんです。まぁ結局マネキンを立ててあるだけだったんですけどね。でもまぁ結局263年、魏が蜀に勝ちます。このまま魏が呉を滅ぼすだろうな~…って思っていた矢先、魏で下剋上が起きちゃう!No.2だった司馬炎がトップにたって晋(西晋)建国です!265年のこと。王朝が入れ替わっただけだから、都はそのまま洛陽だし、制度も魏のまま。ただ勢いはありますよ!そして、280年に晋(西晋)が呉を征服し、これにて三国時代終了となります!

生徒:流れは意外とさっぱりしてるんですね!

しま:そう!あとは、魏の文化や制度がよく出題されるから、そこを確認しておこう!まず、魏では清談が流行した!清談というのは、老荘思想に基づく会話のこと。つまり、相手のことを敬わず、あるがままに会話をするということ。…よくわかんないよね。これをできる人が中国には7人居て、それを“竹林の七賢”と呼ぶ。ただ、入試に出てくるのは阮籍と嵆康の2人くらい!

生徒:屯田制ってのはなんですか?

しま:後漢末の戦乱で荒廃した土地に、流民を募って入植させて、普段は耕作を、戦時には軍隊として編成する制度のこと!魏で本格化しています!

生徒:じゃあ九品中正ってのは?プリントには官吏登用制度って書いてありますけど…

しま:優秀な人材を田舎から発掘してきましょう!ってやつです。中正官と呼ばれる地方役人が成績を9段階で付けて、中央に推薦するんですよ。…ただこれって結局地方の有力豪族が中央官職を独占することになるんですけどね。いくらでもワイロができちゃうから…。

生徒:ですよね。裕福な家柄に生まれれば自ずと評価は高くなるし、貧しい家に生まれれば、低くなっちゃいます。

しま:それを「上品に寒門なく、下品に勢族なし」と言います!西晋の時代の言葉ですね。ぜひ覚えておこう!

生徒:それでこれから西晋はどうなっていくんですか??

しま:西晋の都は魏から変わらず洛陽のまま。建国者は司馬炎。税制は、戸調式+占田・課田法。これは良いんだけど、地方の統治に関してね、西晋はやらかしちゃうんです。なんと、あの、封建制をとったんです!

生徒:え!?封建制なんてやったら地方で諸侯が反乱を起こしますよね!?周後半の戦国時代もそうだし、前漢の呉楚七国の乱もそうだったし…。歴史の勉強不足じゃないっすか!

しま:そうなんだよ。で、そうなる!290年、八王の乱の勃発です。この八王ってのがまさに諸侯なんです。しかも厄介なことに、この時に諸侯は遊牧民族にお願いをして、戦闘に協力してもらうんですね。これがきっかけとなって、中国内に異民族がぞくぞくと侵入してくることになる…

生徒:なんと!

しま:北方からは匈奴、羯、鮮卑。そして西のチベットの氐と羌です。全部合わせて5つの異民族が侵入してきたので、これを五胡と言います。そして五胡が各地に合計16個の国を建てたので、この時代を五胡十六国時代[304~439年]と言う!

生徒:と言うことは、311年~起きた永嘉の乱というのは異民族による反乱ってことですか?

しま:そういうこと!匈奴が西晋の都である洛陽を攻撃し、316年に西晋を滅ぼした戦いを永嘉の乱というわけです!

生徒:西晋の人たちはどうなっちゃうんです!?消滅ですか!?

しま:逃げます。約100万人が1年かけて南へと逃げた。そして新たに建康を都に、317年に東晋を建国!ただ、誰がどこへやって来たのかはっきりわからない。わからないと税がとれないよ!さぁどうするか…戸籍を作ります。それを土断法と言う!以降、南側はずーっと漢民族の王朝です。

生徒:なるほど!北が五胡十六時代[304年~]で、南は東晋[317年~]という構造ですね!

しま:そういうこと!胡麻、胡椒、胡桃、胡瓜…はい、これ全部読めますか!?

生徒:楽勝です。ごま、こしょう、くるみ、きゅうりですね。あれ、全部“胡”っていう漢字が使われているー。

しま:その通り!もともと“胡”とは、漢民族が中国の北部や西部の異民族を呼ぶ時に使った字なんだ!

生徒:なるほど!だから五胡十六国時代[304~439年]なんですね!…え!?もしかして十六国全部暗記ですか!?ヒェ

しま:さすがにそれはないから大丈夫!五胡の異民族は全部暗記だけど、覚える国は2つだけ!ちなみに、十六国の中にはちゃっかり漢民族の国も3つ混ざってます。

 生徒:えっと、五胡は…北から匈奴、羯、鮮卑で、西から氐、羌でしたよね!?

しま:そう!そのうち匈奴が建てたのが漢という国。漢は、316年、劉聡の時代に西晋を滅ぼしました!(その後、前趙と名前を変える)。そして氐が建てた前秦。前秦は3代皇帝の苻堅の時に一時華北を統一します!だけど、南下の途中に、淝水の戦いで東晋の武将である謝玄に敗北し、また北朝はバラバラになってしまいました…。

生徒:やはり、中国全土の統一は難しいのですね。

しま:さて、いつになったら華北の再統一かというと…439年!鮮卑族によってです!“北魏”という国ができます!ってわけで次は中国の南北朝時代がスタートです!