しま:いきなりだけど、みんなはアウトドア派?僕はねー、どっちかって言うと家で本を読んだり、音楽を聴いたり、カレーを食べたりする方が好きだからー…うーん、どっちかっていうとー…“インド派”かな?なんちゃってーーーw

生徒:

しま:いや!無言て!

生徒:…インドと言えば、インダス文明ですよね!

しま:インダス文明って、今のどのあたりで起こった文明だと思う?

生徒:いや、そんなのインドに決まって…

しま:ぶー、正解は現在のパキスタンなんです!インダス川ってインド北西部とパキスタン北東部を流れてるんですよ!インド人が良く沐浴しているガンジス川とごっちゃにならないように気を付けましょう。

 

生徒:インダス文明のこと、詳しく教えてください!

しま:時代はだいたい、紀元前2500年頃~紀元前1500年頃!担った民族はドラヴィダ人(ドラヴィダ族)と言って、肌の色が濃いです!代表的な遺跡はハラッパー(インダス川上流のパンジャーブ地方)やモヘンジョ゠ダロ(インダス川下流のシンド地方)。このへんはしっかり地図で位置も確認しておきましょう!

生徒:はい!あ、そういえば、文明と言えばまずは文字でしたよね!インダス文明だから…インダス文字??

しま:そう、インダス文字!これ、印章というハンコみたいなものに刻まれてます!そして未解読です。よって解読者を覚える必要なし!



生徒:ラッキー!残りのインダス文明の特徴どんとこいっ!

しま:まず、時代を見れば一目瞭然だけど、まだ鉄器は無くて青銅器文明!あとは、穀物倉庫があって…排水溝とか沐浴場とか…水まわりもばっちりです!遺跡の写真を見るとすっごく計画的に造られている感じが分かりますね。そんなインダス文明も、紀元前1500年頃には衰退します。原因は、洪水説や塩害説など諸説ありますが、よく分かっていません。

生徒:インダス文明無き後のインドはどうなっていくんですか?

しま:インダス文明の主役はドラヴィダ人だったけど、ここからの主役はアーリヤ人になります!紀元前1500年頃、アーリヤ人がカイバル峠を越えてパンジャーブ地方へ南下してきます!「カイパンはいたアーリヤ人」で覚えよう!さて問題!紀元前1500年頃に南下と言われてアーリヤ人が何語族の人たちか分かるかな?

生徒:紀元前1500年頃……あっ!ヒッタイトの南下と同じ頃!…ってことはインド゠ヨーロッパ語族!

しま:正解!まぁ“インド”゠ヨーロッパ語族って言うくらいだからね。さて、このアーリヤ人は、のちのバラモン教につながる宗教観を持っていました。インドは厳しい自然環境だから、火とか雷とかそういう自然の神々を崇拝する多神教ね。その神々への賛歌集を『リグ゠ヴェーダ』と言います!

生徒:なるほど!『大地讃頌』的な歌が集まっているわけですね!

しま:パンジャーブ地方に入ってきたアーリヤ人は、その後、紀元前1000年頃になるとより肥沃な土地を求めてガンジス川流域へ移動を開始します!この移住の過程で、先住民を征服しながら、のちのインド社会に多大な影響を与えるある制度が生まれます!この頃になると青銅器に代わって鉄製の道具や農具が使用されるようになる。作物も大麦や小麦から稲作中心に代わっていきます。すると農業生産力が上がって、余剰作物が生まれ始める。これ重要!余剰作物が発生するってことは、働かなくても良い裕福な層が生まれてくるということ!つまり、貧富の差が生まれるのです!!!

生徒:なるほど!でも、どんな人たちに余剰作物が集まったんです??

しま:ずばり、バラモン!バラモンというのは、司祭階級の人たち。つまり宗教上の祭式や儀礼をつかさどる人たちのこと。このバラモン、神々への祈りの儀式や賛歌などを複雑にしていくんです。もう、一般の人たちにはよく分からないんですよ。そうなると一般の人たちは、バラモンに祈ってもらうしか無いわけ。でも、祈ってもらうのにタダってわけにはいかないよね?

生徒:それでバラモンのもとにお布施として余剰作物が集まるってくるっていうわけか!

しま:そういうこと。こうして、インド社会特有の身分秩序が形成されていくんだ!これ、もともとは肌の“色”の違いで分けられたからヴァルナ(=色)制と呼ばれます!

生徒:肌の色の違いっていうのは、つまりアーリヤ人がトップに居て、下には征服されたドラヴィダ人が居る…っていうことですか?

しま:そうです!ちなみに過去にセンター試験で、「インダス文明の頃にヴァルナ制が始まり…」という文が出題されたんだけど…これ、どこがおかしいか分かる?

生徒:ヴァルナ制は、アーリヤ人とドラヴィダ人の混血が進む中で生まれてくる制度ですよね!?だからアーリヤ人が南下してくる前のインダス文明にあるはずがない!

しま:Excellent!ヴァルナ制は、前1000年頃に生まれてくるんです!上からバラモン(司祭)→クシャトリヤ(王侯・戦士)→ヴァイシャ(農民・商人)→シュードラ(隷属民)です!

生徒:あれ、そういえばインドにカースト制度ってありますよね?もしかしてこれがそれのもとですか?

しま:そう。このヴァルナが、のちに職業と結びついて、より細分化されてジャーティと呼ばれるようになるんだけど、それを見た大航海時代のポルトガル人が、家柄や血統を意味する「カスタ」っていう言葉でこれを呼んだんだ。そこからカースト制度として知られるようになる!

生徒:でも、カースト制度って差別につながりませんか?

しま:その通り。だから現在のインド憲法では、このカーストによる差別は明確に禁止されています。でも、実際は職業と結びついているからそう簡単には無くならない。ちなみに先生は、このインド憲法をつくった不可触民出身のアンベードカルという人で、大学の卒業論文を書いています!読みたい人は読ませるし、読みたくない人にも読ませますね。パワハラです。

生徒:ヒェ