私には、弟が二人いる。


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物心ついたらいつの間にか隣で眠っていた「智也」と
泣き虫なチビスケ「大樹」。

一緒にたくさんの冒険をした。

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「今晩お母さんがシチュー作っていくのと、3人でお弁当買いに行くのどっちが良い?」

小学生のころ、父と母は仕事で忙しく、
夕飯の時間に帰宅できないことが度々あった。

「えっ3人で!?」

マメな母は必ずご飯を作って仕事に出かけていたので、
お弁当を買って食べる習慣のない小学生は、大興奮。

「3人でお弁当、買いに行く!!」

即決であった。


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「大丈夫?彩織は大樹の手、ちゃんとつないでいってね?」

「分かったあ!」

かくして藤崎家3兄弟は、駅前のお弁当屋さん(徒歩5分)まで
大冒険の旅に出かけることになった。

勇敢な戦士は、母が託してくれた500円玉を握りしめ
住宅地に迫りくる20キロ程度の車に怯えながら
しっかりと3人で手をつなぎ、駅前のお弁当屋さんへとたどり着いた。



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「唐揚げと竜田揚げってどう違うの?」

「なんか外側が違う気がする」

「サクサクしてるほうが竜田揚げじゃなかった?」

「そうなの??」

初めてのお弁当に目をキラキラさせながら、店内をうろちょろする。
そこで3人が見つけた、大好物・・・

「ああっ!春雨サラダだー!」

「本当だ!!」

グラム幾らで売っている春雨サラダを発見。
戦士たちは興奮した。

「このはかりに乗せたら値段が出るんだって」

「3人のお金合わせていっぱい買おうよ」


お店の人に手伝ってもらいながら、貰ったお金を振り絞って春雨サラダを購入。
大切な戦利品は上の弟、智也が預かる事になった。

しかし3階にあった自宅へ戻るための階段を登る途中、
戦士たちは思わぬアクシデントに見舞われた。


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「ああっ!!」

「ああーーーー!!」

何と、戦利品「春雨サラダ」を預かる戦士@智也が、
階段につまづきコケている。

当然ながら春雨サラダは階段にぶちまけられ、砂やほこりまみれである。

「うわああああん」

「わあああん」

突然のことに、3人の戦士は大号泣。


「智也のせいだ」

「お兄ちゃんのせいだ」

「・・・・・っ!!」


長女は姉らしいフォローをするでもなく事態に混乱し、
末っ子は場の雰囲気に怯えひたすら涙をこぼす。

真ん中は兄弟たちに責められ、自らの失敗に悔し涙を流しながら
母へと手紙を書く。

「おかあさんへ
ぼくのせいではるさめこぼしてごめんなさい。」



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夕方過ぎに帰宅した母。

号泣する3人の戦士を見て、うろたえる。

「どうしたの?何があったの!?」

泣きながら話す武勇伝を聞いて、母が爆笑した事は言うまでもない。

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小学校のころから「勉強がしたい」と、自分で塾を指名して
私の大学受験まで先生をしてくれた上の弟は、智慧のある子にと「智也」

スポーツ万能、生まれた時から太陽の子どものように真っ黒で
風邪を引いたことのない下の弟は、元気に大きく育つようにと「大樹」

そして、スポーツ一家の中でひとりピアノを弾き
家族が試合に出ている間ずっと本を読んでいた私は
彩りを織るような、感受性豊かな女の子にと「彩織」

(大樹を抱えているのは、我が家唯一O型のお父さん)


私たちは 幼馴染が20人近くいる社宅で、
もみくちゃにされながら誰とでも兄弟になれた
幸せな子ども時代 を過ごした。



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先日初めて音楽で頂いたお給料をもって、
弟2人と一緒にお酒を飲みに行った。

今では頼りになる弟たちと一緒に、たくさんの冒険談を語っていたら
いつの間にか深夜4時を迎えていた。

「おやすみ」

愛する弟たち。これからもよろしくね。


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(L:智也 R:大樹)

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前回のブログの風船割りゲーム の優勝者の答えは
i-podからパソコン、クーラーまで何でも直しちゃう「領ちゃん」!でした。