「ビッグライズ20:00までだから、行かない?」

ビッグライズとは大鳥居に位置するスーパーで
お肉の値段が破格なので、地元では有名である。

昨晩EARTHで 私と中じんとラブの3人で塩鍋を食べて
朝&昼ご飯に鍋のスープで雑炊を食べたので
そろそろ、と晩ご飯のこんだてを考える。

「何食べたい?」

「野菜!!」

中じん、即答。
そうだよね。私達は決定的に野菜が足りていないよ。
よし。今日はみんなで野菜をたくさん食べよう。


3人で歩いてビッグライズへ出かける。
もう春がきたかも~!とハイテンションのまま薄着で外に出たら、まだかなり寒い。
起きてからずっとパソコンに向かっていたので、3人とも今日初めての外出になった。

ビッグライズに入ると目の前にくだものコーナーが広がっていて
いちごや柑橘系のくだもの、パイナップルなどを見ていると、楽しいキモチになったので
「どれか食べたい」と会計係の中じんにお願いする。

「え~高いよ」

「でもビタミンCが取れるよ」

「むむー」

「私達、ビタミン足りてないと思うな~」

散々迷った結果、お徳用いよかんの袋をかごにいれる事になった。
3人で腐らせません、と誓う。


HELLO ENDING-iyokan


さて、目的を忘れてはいけない。
今日は「野菜をたくさん食べれるご飯」である。
何を入れるか相談する。

「白菜ともやしが安いから・・中華丼は?」

「そうしようか。他は?」

私は野菜は大好きなのでどれも同等に愛しているのだけれど、
こういう時中じんに「何いれるー?」と聞くと
十回に八回は「ねぎ」である。ねぎが好きらしい。

今日も例によって「ねぎは?」と言って
細めの長ネギ3本198円VS太めの長ネギ2本178円で競った結果
「こっちの方が重い気がする・・」と後者をかごに入れていた。

人参や鶏肉やきのこも買って
本日のコックであるラブに
「茹でたまごも入れて欲しい」「俺は半熟で」とお願いしながら帰路についた。

夜風はまだ冷たい。
21時。世界は着々と闇の中に溶けていく。

「あ!」

EARTHの前の公園を横切っている時、
地面を見ながら中じんが声をあげた。
コンクリートにばらまかれた、透ける様な白い花びら。

「梅だ・・」

梅の木が、骨のように白い花びらを落としていた。
冬の草木はいつも寂しそうだ、と思う。

EARTHに着いて、パソコンを立ち上げる。
梅が咲いた。
という事はもうすぐ大好きな春がくるのか、と想像を巡らせながら
ワクワクして、ソワソワして、ドキドキしながら文章を書き始める。
いつも出会いと別れの苦しみに絶えず満たされてきた、春という世界。

「ご飯できたよー」

いつの間にかラブシェフは中華丼を完成させてくれた。
わーい、お腹ぺこぺこ。いただきます!!


HELLO ENDING-chuukadon