こんにちは、お気楽です。
２月１９日に、ハーパー・リーさんが亡くなったそうです。
２００７年 ホワイトハウスでブッシュ大統領と
ネル・ハーパー・リー(Nelle Harper Lee, 1926年 4月28日 - 2016年 2月19日 )は、アメリカ の小説家 。『アラバマ物語 』（原題：To Kill a Mockingbird）で知られる。また、この物語の続きに当たる『Go Set a Watchman』（邦題未定）を以前に書いていて、2015年に出版されてベストセラーとなった
以上、ウキペディアより
ハーパー・リーさんと言えば、ピューリッツア賞受賞作 アラバマ物語です。
現在は教科書にも載ってるそうですが、お気楽は、読んでません。
じゃあ、なんで書くのかというと、
映画ファンなら誰でも知ってる映画史に残る名作、問題作です。
ということで、今回の思い出の映画は
「アラバマ物語」です。
この物語は、ハーパー・リーさんが、６歳の時、体験した、ある夏の物語です。
ハーパー・リーを演じたのは、メアリーバタムさん（当時９歳）
彼女は、この映画でアカデミー助演女優賞にノミネートされました。
メアリーバタムさんのお兄さんは、「サタディナイト・フィーバー」
「ブリーサンダー」、「ウオー・ゲーム」等の監督で有名なジョン・バダムさんです。
お兄さん役は、フィリップ・アルフォードさん
そしてお父さん役は、後にも先にも、この役が出来るのは、この方だけですね
演ずるのは、もちろん、大スター グレゴリー・ペックさん
グレゴリー・ペックさんはアカデミー賞ノミネート４度目にして
この映画で、見事 アカデミー主演男優賞を受賞します。パチパチ
ソフィア・ローレンより、オスカー像を渡されるペック氏
そして、忘れては、ならないのが、夏休みで都会から休暇で遊びにやってきた
ディル少年
左から２人目がディル
ディル少年のモデルは、「ティファニーで朝食を」「冷血」で有名なノーベル賞作家
トルーマン・カポーティ
公開当時は、トルーマン・カポーティの幼少時のことが、
わかると話題になったそうです。
それにしても、世界的大ベストセラー作家同士が、幼少の時から、
親友だったなんて、世界は狭いのかな～
ロケを見学に来た、ハーパー・リーさんとメアリー・バダムさん
さて映画は、エルマー・バーンスタインのスンバラシイ曲ではじまります。
この曲でバーンスタインは、ゴールデングローブ賞を受賞します。
子供が、鼻歌を歌いながら、おもちゃ箱の蓋を開けると、
木彫りの人形や、壊れた懐中時計
映画を見終わり、再度見直すと、このおもちゃ箱を開けた瞬間
もう、号泣状態になっちゃいます。（理由は映画を見れば解ります）
子供が、鼻歌を歌いながら、中のクレヨンを取りだし
落書きをすると、映画の題名が表れます。 To Kill a Mockingbird
この意味は、映画終盤で明かされます。
このシーンだけで、名作を見終わった感じがするほど、見事なシーンです。
メアリー・バダムが子供の頃を思い出すシーンではじまります。
１９３２年夏 不況のアラバマ州 メイカムが舞台のようです。
この町並みはロケではなく、全て、ユニバーサルスタジオに再現したそうです。
見学に、訪れた、ハーパー・リーさんは、当時を再現したセットに目を見張ったそうです。
その2年前、この原作が発表されるや、制作者：アラン・Ｊ・バクラは映画化権を
買い取り、名監督：ロバート・マリガン、名脚本家：ホートン・フートに声をかけ、
映画製作に取りかかりますが・・・
各映画会社は、脚本を読んで、アクションもサスペンスもロマンスも無いうえ
人種問題（黒人が白人をレイプした裁判劇）から、南部でロケはできない、
（その為、スタジオに街を再現します。
）
アメリカ国民の半分である、南部で公開できないetcという理由で断ります。
アラン・J・バクラは、自分で映画化を決心し、銀行から資金を借りようとしますが、
銀行も同じ理由で資金を貸してくれません。
では、この映画どうして出来たかと、言うと・・・・
この映画のお父さん役が、出来るのは、グレゴリー・ペックしかいないと考え
この脚本を、ペックに送ったところ、快諾。
ここから、映画製作が一気に進みます。
グレゴリー・ペックが出演希望と、知った映画各社は、手の平を返したように
是非、自分の会社で制作して欲しいと申込が殺到したそうです。
またグレゴリーペックは、小説のモデルになった、ハーパー・リーのお父さんに
会い、その気高い精神に触れ、感銘を受け、見事にその役を演じました。
映画の前半はハーパー・リーと兄、ディルの夏休みの遊びや小さな冒険を
ノスタルジックに描いています。
映画の最初のシーンでは、兄が、お父さんはもうジジイで、どうしようもないetc
で、数分後出てきたお父さん。
お腹がポッコリ、メガネをかけた、さえない中年の男やもめのお父さん。
当時、日曜洋画劇場でお気楽と、一緒に見ていた、お気楽母は苦笑して
「あ～ペックがお腹でてる～」・・・・
お気楽母にとっては、ペックは憧れの、大スター、かなりショックだったようです。
このシーンはこの映画の撮影初日だったそうです。
見学に来ていた、ハーパー・リーの眼には涙が・・・・
撮影後、ペックが尋ねると・・
「さっき、泣いてなかったかい？」
「貴方のお腹の出具合までが亡くなった父とそっくりだったので」
（リーさんのお父さん（元アラバマ州知事）は撮影開始前に亡くなったそうです。
「お腹を出すのも演技のうちさ
」 と答えたそうです。
ある日、家の前に狂犬病の犬が現われます。
保安官に頼まれて、その犬を、遠距離から、一発で射殺する、お父さん。
ペックさん、メガネを撮ると、やはりいい男です。
実は、お父さん、町一番の射撃の名手。
腰ぬけだと、思っていた、お父さんを、見直す、兄妹
そんな楽しい夏休みも終わるころ、この家族に事件が起ります。
それは、お父さんが、白人をレイプした罪で、起訴された
働き者の黒人の若者の弁護を引受たからです。
長閑な南部の中流家庭の子供たちのお話から、映画後半は、子供の目で見た
大人達の醜いお話に一変します。
ペックも前半の抑えた演技から、信念を持った弁護士を誇り高くまた、
子供達に優しい、そして、人間味溢れる演技・・・もうスンバラシイです。
人種差別の激しい時代、しかもアメリカ南部の町なので
町民から、様々な迫害を受けはじめる、家族
妹は学校でもイジメられるようになります。
夜、家のベランダで泣く妹
「お父さん、なんで、悪い黒人の弁護なんてするの？
そのせいで、私、学校でイジメられるの
」
「今、お父さんが逃げ出したら、明日から、お前達を叱る資格が無くなるんだよ」
でも、6歳の妹には、まだその意味が判りませんでした。
そんな時、黒人をリンチするとの情報により
保安官達が、町民が集会している場所へ出動。
保安官事務所には、留置場の黒人一人残されました。
保安官の連絡により、お父さんは、独りで、保安官事務所に行き、
留置場の前の椅子に座って、本を読み始めます。
そこへ、一部の町民達が、黒人を出せと、銃をお父さんに向けます。
先日書いた「突入せよ！「あさま山荘」事件」みたいな状態です。
銃を持った暴徒に本だけで、立ち向かうお父さん
そこへ、お父さんを心配した、兄妹、ディルの三人がやってきます。
さすがに、子供の前では暴力はできないと、暴徒も引き下がります。
ジェームズ・ボンド、インディ・ジョーンズ、ロッキーを押しのけて
アメリカ映画100年のヒーローNO1に選ばれたのは、このお父さん
アティカス・フィンチです。
アクションシーンゼロの主人公がアメリカ映画100年のヒーローNO1なんて
アメリカの映画ファン、見直しちゃいました。
映画の後半で、お父さんといっしょに、外出する兄
兄なりに、町民から、お父さんを守ろうとしている姿が健気でした。
裁判も後半にはいり、お父さんはレイプされた女性を尋問します。
詳しくは書きませんが、レイプ事件は、冤罪である事を、証明します。
しかも、その女性、実は、お父さんにレイプされ、黒人に助けを求めた、結果
お父さんから、レイプ犯として、訴えられた事が、暗示されます。
そして、裁判最終日
傍聴人で満員、というか、全町民の見守る中、お父さんは、
陪審員へ最後の弁論を・・・
陪審員は、当然、全員白人です。
裁判が、始まる前から、死刑が決まっている、無実の黒人を救おうと
たった一人で、毅然と立ち向かいます。
映画史に残る、弁護シーンが、数分間ノーカット、長回しで始まります。
このシーン、グレゴリー・ペックが素晴らしいです。
（演技というか、ペックさんの地かもしれません。
ペックさん、アメリカの良心と呼ばれ、世界の映画人から尊敬されていました）
被告人席に座っていた、黒人俳優役のブロック・ピーターズが
ペックの迫真の演技を、見て、大粒の涙を流しはじめます（台本にはありません）
ペックは、突然、泣き初めた、ブロック・ピーターズさんを見て、困惑したそうですが、
そのまま、ノーカットで数分間、弁論を続けたそうです。
そして、監督のカットの声
と同時に、その場にいた、俳優、スタッフ、エキストラ全員が感動の拍手。
このシーン、何度見ても、ブロック・ピーターズさんでは、ありませんが
お気楽も、目から大粒の汗が出ちゃいます。
そのスンバラシイシーンは、数年前、切手となります。
切手左下の FOREVERの意味は、物価変動に関係なく、アメリカ政府があるかぎり、
追加料金不要で手紙が届くそうです。
裁判の結果は、有罪、死刑です。
人種偏見の激しい時代、白人女性を振った黒人男性が生きてるなんて
許せないということですね。
黒人男性は、その判決に絶望して、その後、逃走、射殺
事件は終わったと思っていましたが、無実を証明した、家族に
さらなる悲劇が・・・・
白人女性の恥を衆目に晒された事を、逆恨みした白人女性の父が
ハロインの夜、学校から帰る、幼い兄妹をナイフで襲います。
しかし、それを救ってくれたのが、隣人の智恵遅れの青年
この青年、この映画がデビュー作です。
一言も話さない上、画面には、20秒と映りませんが、唯物では、ありません。
お気楽、初めて見た時は、誰だかわかりませんでした。
みなさん、判りますか？（髪がフサフサなので、難しいですが・・・）
そうです^^、その後、ゴットファーザーで有名になる、アカデミー主演男優賞を取る
あの俳優です。
ゴットファーザーで判んなければ、地獄の黙示録で、キルゴア中佐を
演じたあのハゲのおっさんです
その後、怪我した兄を看病するお父さんのシーンで
映画はENDですが・・・
最期のこのシーン、ここでも、お気楽、目から汗が滝のように流れちゃいました。
この映画のお父さん、アメリカの理想のお父さんだそうです。
最後にアラバマ物語の評価ですが
アメリカ映画100年のベスト映画：第６位
アメリカ映画100年のヒーロー：第１位
アメリカ映画100年の感動する映画：第2位
アメリカ映画100年の法廷映画：第１位
映画評論家の淀川長治さん、グレゴリー・ペックは、あまり好きでは
ないようでしたが（偉大なる大根役者とも呼ばれてますからね）
アラバマ物語のグレゴリーペックは大絶賛でしたよ
グレゴリー・ペックなんて知らんわ・・・という女性は、まさか居ないでしょうが・・
ローマの休日の記者をやった俳優といえば、判るかな？
ペックとオードリーの生涯に渡る友情は有名ですが、そのお話はまたいつか・・
ハーパー・リーさん、お気楽が天国に行ったら、すぐ読めるように
素敵な本、書いて待ってて下さいね。
おまけです。
最初の画像が、ホワイトハウスだったので・・・
ホワイトハウスでクリントン大統領夫妻から、勲章を頂く、ペック氏
