【ネタバレ注意】「忍びの国」を見てきました⑰ | 世界一難しい恋の話

世界一難しい恋の話

2016年04月13日スタート
日本テレビ系列水曜22時
連続ドラマ「世界一難しい恋」の応援・感想ブログです。

昨夜の応援上映の様子が早速ネットニュースになってました!

 

 

すごい! 青に染まってる!

普通の応援上映というのがどんなものかわかりませんが、男女比率が99:1 とのことなので、大半が大野智ファン、あるいは知念くんファンのいわゆるジャニヲタさんだったと思われますが。

ジャニヲタさんはコンサートなどで一致団結してC&R! に慣れているから、応援上映も盛り上がるんだろうなあ、などと思ってみたり!

最初の一声を誰かが挙げてくれれば、その後は自然に盛り上がりそうですがその一声を誰が挙げて下さったのかが気になるところです!

 

さて今日の話題。「忍びの国」の感想続きです。

例によって内容にがっつり踏み込んだ感想書いてますので、まだ見てない! まだ内容知りたくない! という方がいらっしゃったらこの先を読まないようにお願いします!

 

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凛姫から騙し取……譲り受けた一万貫の値が付くと言われる北畠の家宝・小茄子。

これを元手に商いでもして、京でお国と夫婦に! という幸せな未来に向けて。無門はお国を連れて伊勢とは真逆にあるおとぎ峠を突き進みます。

その先の「京」がきらきら輝いてたのが笑えるし泣かせますねー。あー。本当にこのまま京に逃げてくれていたら……と思わずにはいられない。

背中に荷物背負った無門さん、傘をかぶったお国さんと逃避行ですが、2人きりの孤独な旅になるかと思ったら周囲はびっくりするくらい人・人・人。

 

(お∀国)「こんなに逃げるのですか!?」

(´・∀・`)「ま、伊賀者の半分はいるでしょうな。伊賀は戦った途端に負けますな!!」

 

何のことはない。逃げようとしたのは無門だけではなく、誰も彼も「銭も出んのに命を賭けた戦なんてやっとれんわ!」と気持ちは一つだったらしく。朝を待たず戦場に向かうどころか荷物まとめて京への道まっしぐらです。もし全員逃亡に成功した場合、京の人口がいきなり増えることになるけど大丈夫なんかな……京にこだわらず江戸とか大阪に逃げる伊賀者がいてもいいじゃないか。いや、それはともかく。

 

戦った途端に負けると聞いてお国さんは神妙な顔ですが無門は全然気にした様子もなく。でも女子どもも容赦なく殺す織田軍と命を賭けて戦えというのは……と、きっとお国さんもいろいろ悩んでたんだろうと思われるのですが、その天秤が一気に傾いたのは、逃避行中に見かけたある光景。

 

(お∀国)「…………」

(´・∀・`)「どうしました?」

 

逃亡中、突然ぴたりと足を止めるお国。その視線の先に居たのは、同じく逃亡中の下忍一家。

恐らく両親と思われる大人の忍者に抱っこされてる子忍びの姿に、お国さん、思わずつぶやきます。

 

(お∀国)「あの子は……」

(´・∀・`)「あの子?」

(お∀国)「ネズミ殿です。あのように、親御さんと逃げておられるのでしょうか……」

 

余談ですが、ここでお国さんの考えを変えさせた……結果、ひいてはこの戦いの行く末を大きく変えることになったこの一家、中村監督の実の奥さんとお子さんって噂聞きましたけどあの家族で合ってたのかな?

 

いやそれはともかく、ただ一度会ったっきりの子忍び・ネズミの身を案じるお国に、無門が向けたのは心底不思議そうな表情。

 

(´・∀・`)「親はおらんでしょう」

(お∀国)「え?」

(´・∀・`)「赤子の頃に、他国から買われてきたんです。ま、子ども一人で逃げる才覚は無いだろうし、今頃は……」

(お∀国)「戦に……?」

(´・∀・`)「でしょうなあ。かわいそうに」

 

この「かわいそうに」は、「忍びの国」全体を通じてキーワードとなる一言だと思います。

この後、「かわいそうに」は無門の口から一度、お国の口から一度つぶやかれることになるのですが、その時々でまるで意味合いが変わってきているのです。それが引いては登場人物の心情の変化を表していて……まあ細かくはそれぞれのセリフが出て来たときに語りたいと思います。

 

とかく、このときの無門の「かわいそうに」の空虚感はすごいですよ。

全然かわいそうなんて思ってないことが口調からも表情からも伝わってきます。それくらい、言葉が乾いていました。他国から買われてきた家族もいない子忍び。戦いに駆り出されて、勝てば生き残るし負けたら死ぬ。それはただそれだけのこと。伊賀ではどこにでもある当たり前の話。

 

けれど、武家の娘として親から慈しまれて育ったお国には、そんな「当たり前」も「かわいそうに」も全然伝わらなかった。

 

(お∀国)「あのような小さな子どもでも戦っているのに、あなたという人は!!」

(´・∀・`)「へ?」

 

まあでも、このセリフにだけはブログ主も無門と同じ「へ?」って言葉を送りたいです。

戦いに出るけど一銭も出ないって聞いたらぶつくさ文句言ったのは誰ですかw

 

正直、ここは感想の分かれるところだと思うんですよ。

言うことがその時々でころころ変わって、お国って嫌な女だという感想が出るのもわかる気がします。

でも、これ、映画ではまだわかりやすい流れになってるんですよ。

原作ではネズミという存在がいないので、たくさんの伊賀者に紛れて逃げ出してきたものの、戦場から離れる=自分の身の安全が保障されるに従って、お国の機嫌がどんどん悪くなっていって、これは京に逃げてもきっと毎日のようにあのとき逃げた逃げたとネチネチ言われるに違いない……と怯えた無門がお国に何も言われないうちに勝手に逃げるのを諦めるというよくわからない展開になっていたので。子どもを案じて、という理由がついただけ、映画版はまだ納得のいくストーリーになっていたのではないかと。

 

まあともかく。「逃げるのやめる! 伊賀に戻って戦う!」などとお国さんが駄々をこねだして、そんなの冗談じゃない! と無門、慌てて(´・∀・`)「行くよ行きますよ!!」と合戦に参加表明です。命を賭けた戦いなのに軽いな……

それでも、「どこへ行くのです?」と聞かれて「京の都……」と答えるあたり、諦めきれてない感がひしひしと伝わってきますが、無門にとって一番怖いのは織田軍ではなくお国。

無門殿! と一喝されて「戦行きます。はい行きます」と頷く羽目になりましたとさ。

お国恐ろしい女やで……圧倒的多数の兵力差があって戦ったらまず間違いなく負けるって言われてるのに、誇りなんてもののために戦いに参加せえと怒るわけですから……ああ、でもよく考えたら昭和の第二次世界大戦で若い男性がこぞって戦いに駆り出されていた事実を思うと、お国の考えの方が昔は普通だったってことなんでしょうか……

 

しかし、さすがにお国も一人で行けと言うほど鬼ではなかったらしく。

 

この後数分のやり取りはとても印象的でした。

無門とお国の間に会話はなかったんですが、お国の言いたいことをちゃんと無門が汲み取っている当たり、やっぱりこの二人は夫婦なんだな、とわかります。

 

そっとお国さんが袂から取り出した桐箱。

その中に入っているのは、これから2人が夫婦として京で幸せになるための資金となるはずだった……

北畠秘蔵の茶入れ、一万貫=10億の価値がつくと言われる小茄子。

あれだけ銭銭うるさかったお国が、ためらう様子も見せず、小茄子を差し出し。無門はそれを受け取って……

 

放り出される背中の荷物。

小茄子を手に走り出す無門。

天に突きあげられる小茄子。朗々と響く美しい声。

 

(´・∀・`)「ここに一万貫ある!」

 

天正伊賀の乱。歴史上、唯一侍と忍者が戦ったと言われる合戦。

その幕開けとなったのは、一人の名も無い下忍の一声だった――

 

××××××××

 

正直このシーンについてはお国さんに言いたいことが山ほどあるんですよねー。

2人で幸せになる未来は、本当にもうすぐそこまで来ていたのに。

幸せになって欲しかった。本当に、心からそう思うんですけど。

でも、お国さんがこういう人だから。ただ一度すれ違っただけの、縁もゆかりもない子忍びのことも放ってはおけない、母性溢れる女性だから。

だから無門はあんなに心惹かれたんだろうなあ、と思うと複雑な心境なのです。

 

次回、いよいよ侍VS忍者の戦いが本格的に始まります。

果たして無門とお国、そして信雄の運命やいかに!?