ちょっと気になる視聴率の話 2 | 世界一難しい恋の話

世界一難しい恋の話

2016年04月13日スタート
日本テレビ系列水曜22時
連続ドラマ「世界一難しい恋」の応援・感想ブログです。

ずーっとドラマの感想ばっかり書いてきたので、ちょっと閑話休題です。

もうすぐ9月も終わり。7月期のドラマも大体最終回を迎えましたが、こちら の記事で、7月期の3本のドラマに注目している、と言ったのを覚えておられる方はいるでしょうか?


フジテレビ 月曜21時

「好きな人がいること」 主演:桐谷美玲

フジテレビ 火曜22時

「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」 主演:波瑠

日本テレビ 水曜22時

「家売るオンナ」 主演:北川景子


以上3本です。言うまでもなく、2014年に「死神くん」で大野智と共演した桐谷美玲さんのドラマ、2016年に「世界一難しい恋」で共演した波瑠さんのドラマ、そして「世界一難しい恋」の後続ドラマである水曜22時枠のドラマの3本です。


ドラマというのは4月~6月の春クール、7月~9月の夏クール、10月~12月の秋クール、1月~3月の冬クールと1つの枠で年間4本のドラマが放送されますが、春と夏のクールでは「視聴率が取りづらい」と言われる時期があります。

春クール=ゴールデンウィーク、夏クール=お盆。ようするに、長期連休に入ると旅行に出る人が増えるため、相対的にテレビを見る人が減る、という理屈です。

今年の春は熊本地震が発生し、一部のドラマはテロップが出続けたり開始時期が遅れたり、そうかと思ったら6月に入って舛添都知事が辞任するのしないのというニュースが連日流れて10時代のドラマは裏の報道ステーションにごっそり視聴率を取られたりといろいろありましたが、夏クールは夏クールでお盆に加えて4年に1度の祭典、オリンピックが裏にぶつかるという不運に見舞われました。

と言っても、今年の開催地は時差の大きいブラジルで開催されたので、注目の試合が深夜早朝に放送されることも多く、全部のドラマが影響を受けたというわけではないですが……

とりあえず、いろいろと不利な状況下、それぞれのドラマがどんな結果になったのか紹介します。


フジテレビ 月曜21時

「好きな人がいること」 主演:桐谷美玲
10.1__10.4__*8.7__*9.5__*8.4__*8.3__*8.2__*7.7__*9.4__*8.4(終).__*8.91


月9と考えると、かなり寂しい視聴率になってしまいましたね……

まさか、金曜23時枠の「死神くん」に平均視聴率で負けてしまうとは……

ちなみにこの数字は月9の中ではワースト2位です。前作「ラブソング」よりは上げてきましたが。

このドラマ、途中で一回、オリンピックの特番を挟んだため休止しました。連続ドラマで途中休止が入るって結構致命的では? とも思うのですが、休止を挟んでも視聴率は8.3%→8.2%と0.1%しか変わっていません。

さらに、初回からじりじりと下がってはいるものの、お盆やオリンピックシーズンに入る前に8%代に突入し、その後は大きく視聴率が動くことはなかったので、ほぼ影響はなかったと見て間違いないと思います。

夏らしい明るいドラマで、今をときめくイケメン3兄弟がヒロインをめぐってあれやこれや……というのは少女漫画の王道のような設定ですが、今、本当にラブストーリーって視聴率が取れないんだな、と実感です。

恋愛における王道は全て盛り込まれていたんですよ? 主人公は最初長男が好き→でも長男にはハイスペックな彼女が→結局長男に振られる→優しくしてくれて好きだと言ってくれた次男に傾く→次男とヒロインがいい雰囲気になって長男がヒロインに傾く→長男がヒロインに告白→ヒロインは結局次男を……みたいに、意地悪なライバルも恋を応援する友達も三角関係も少女漫画における恋の障害てんこもりだったんですけどね。どうも、盛り上がりませんでしたね。

「世界一難しい恋」は本当に頑張ったよ……! あんな変則的なラブストーリーだったのに、恋愛面で言えば主人公には壁なんて全くなかったから本来ならストーリー全然盛り上がらないところなのに、主人公がヒロインに振り向いてもらうためにじたばたあがくというその一点だけでストーリーを引っ張り続けたその手腕に本当に脱帽です。


フジテレビ 火曜22時

「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」 主演:波瑠
*9.6__*9.2__*8.2__*8.8__*6.6__*6.4__*7.4__*8.5__*7.1(終)__________*7.98


こちらは一度も2桁に乗ることなく終わってしまいました。

これは低視聴率に終わった理由はいろいろとあると思います。

まず、真裏にTBSでも連ドラを放送していること。今期は「せいせいするほど、愛してる」という武井咲主演、相手役が滝沢秀明さんで数年前の少女漫画が原作という、何というか、ONとはどこまでも真逆なドラマでしたが、視聴率はものすごいデッドヒートでした。

一応参考に貼っておきます。


TBS 火曜22時

「せいせいするほど、愛してる」 主演:武井咲

*9.3__*7.4__*6.7__*6.9__*6.7__*9.7__*7.7__*7.4__*7.9__*9.1(終).__*7.88


数字を食い合った感がひしひしと……どちらか一方の時間帯がずれていたら、2本ともリアルタイムで視聴したのに! という方は少なからずいるのでは?

当初はONの方が好調でせいせいするほど~は早々に6%台まで下がってしまったのですが、その数字が後半に行くに連れて逆転しています。

これは多分に、「ON」が6%台に落ちたとき、その過激な内容が問題視されている……的なネットニュースが流れて視聴者が離れて行ったのが原因じゃないか、と思うのですが。

ネットニュースなんて話題になりさえすれば、とばかりに、言葉尻を捕らえて大げさに持ち上げたり批判したり、そうかと思ったらよく読んでみると単なる記者の憶測だったりとなかなかひどい記事も多いのですが、ネガティブなニュースってあっという間に広まりますからね……確かに過激な描写も多いドラマでしたが、わたしはかなり楽しんでいただけに残念です。

さらに、「あさが来た」→「世界一難しい恋」と視聴して波瑠さんが出るなら、と見始めた人は、先の2本とはだいぶ違う、何というか、いろいろ陰惨な内容にギブアップしてしまった人もいるかもしれませんね。

では逆に、そういう陰惨というか言ってしまうとグロイミステリーが好きな層は、逆に食いついたのでは? 同じ枠で春に放送されてた「僕のヤバイ妻」も、同じくどろどろ陰惨なミステリーでしたが、中盤からどんどん評価が上がって視聴率は右肩上がりでしたが?

とも思うのですが、いかんせん、ミステリーとして見るとこのドラマはいろいろと物足りないんです。

それはそうです。原作は長編なのに、無理やり1時間に収めているためいろいろとエピソードがカットされているせいで、いろいろすかすかだったんです。

その上、主要人物の性格や背景をだいぶ変えてしまったので、原作ファンの人は逆に「こんなの藤堂比奈子じゃない!」と思って離れてしまった人もいるのでは?

波瑠さんはとても頑張って難しい役をこなしていたと思いますが、いろいろと残念な結果に終わってしまいました。

なお、このドラマもあまりオリンピックやお盆の直接的な影響はなかったように思います。

裏の「せいせいするほど~」はオリンピックのため、一回休止が入りましたが、こちらは休止することもなく、9月のかなり早い段階で最終回を迎えていました。それが吉とも凶とも出なかったのは、まあ、がっちり固定ファンがついていた、とも言えるのでしょうか。


日本テレビ 水曜22時

「家売るオンナ」 主演:北川景子

 12.4__10.1__12.8__12.4__*9.5__11.6__10.8__10.8__12.4__13.0(終).__11.58

堂々のクールトップなんですが、クールトップでこの数字はちょっと寂しい……!

このドラマは顕著にオリンピックの影響を受けています。それまで順調に2桁を保ってきたのに、ただ一度、1桁に落ちてしまったのは、裏で福原愛選手の卓球の試合が放送された日でありました。

しかしオリンピック、お盆を外した時期を見ても、何度か10%台を記録し、最終回も裏に特に高視聴率な番組があったわけでもないのに、13%が精いっぱいでした。

「世界一難しい恋」は、ずっと12~13%で推移し、最終回で16%を記録して「有終の美を飾った」と言われましたが、これは連続ドラマか一話完結のドラマか、の違いも大きかった気がします。

「家売るオンナ」ば一話完結のドラマだったので、一回見逃しても支障はない、というのが、逆に「何が何でもリアルタイムで見よう」という層を逃してしまったように思います。

水曜22時枠は良枠と言われていて、この枠のドラマは大体2桁は取りますので、「家売るオンナ」だから見ていたというより、水曜22時の日テレのドラマだから見た、という層が支えていたように思いますね。

この枠は女性が主人公のお仕事ドラマが視聴率を取る傾向にあったのですが、その視聴者のニーズにきっちり合っていたドラマですし。

してみると、この枠の秋クールは石原さとみさんが主演の「地味にすごい!校閲ガール」というこれまたお仕事ドラマなので、こちらも大体「家売るオンナ」くらいの視聴率は取りそうですね。


以上、気になるドラマ3本の視聴率でした。

大野智の次の連ドラはいつになりますかね……また2年後の4月でしょうか?

次は「魔王」のような冷徹な悪役なども見てみたいです。

「鍵のかかった部屋」の映画、「世界一難しい恋」のSPも、いつまでもお待ちしていますよ……!