鍵のかかった部屋 1話感想④ | 世界一難しい恋の話

世界一難しい恋の話

2016年04月13日スタート
日本テレビ系列水曜22時
連続ドラマ「世界一難しい恋」の応援・感想ブログです。

今日は関西では鍵部屋第3話が放送されました!

第3話は、多分わたしが一番好きな話です。

そして第3話で榎本と純子幸せになって!きゃーっ! な世界にドはまりした話でもあります。

感想書くのが今から楽しみですが、とりあえず1話の感想を締めなければ!


現場近所に住む少年から衝撃の目撃談が寄せられ、チーム榎本はプチパニック。

葬儀の場を後にし、再び例の地下備品倉庫で密談です。

ここも多分再放送でばっさりカットされてた! 何か葬儀の場→地下備品倉庫→事件解決までがすごくカットされてた! まあそんな嘆きはともかく!


模型の前であーでもないこーでもないと悩むチーム榎本。

そこでぽつりとつぶやいたのは青砥純子。


純子「やっぱり、違う次元から考えていく必要があるんでしょうか」


実はこのセリフは、以前に榎本がつぶやいたセリフを復唱しただけなのです。

最初にこの地下備品倉庫に訪れたとき、模型を前に「死期が近づいていた老人のやったこととは思えない。だから自殺とは考えにくい」「けれど密室のトリックはまだわからない」という壁にぶつかったとき、意味ありげに榎本がつぶやいたセリフを純子はしかと覚えていたんですね!

当の榎本がそのセリフを忘れてたっぽいのは何か間抜けだけど!


芹沢「何だそれは」

純子「榎本さんが言っていたんですよ。この事件は、何か、もっと違う次元から考える必要があるって」


と弁護士2人が言い合う中、榎本の脳裏を目まぐるしくこれまでに知り得た事実が駆け巡って行き……


ここで出た! この後、最終回まで何度もお目にかかることになる榎本の決めポーズ!

右手の親指と人差し指をすり合わせながら、最後に「がちゃっ」という効果音と共に指をひねるあの独特のポーズ!!!


榎本「そうか、そうだったのか」

芹沢&純子「?」

榎本「密室は、破れました」


きたあああああああああああああああああああああああああ!!!!


まず、物語を通して徹底的に敬語を崩さない榎本が漏らした数少ない敬語以外の言葉「そうか、そうだったのか」にきたー! となり、「密室は、破れました」の決め台詞でさらに「いやあああああああああああ!!!」ってなもんです。

これは謎解きミステリーの醍醐味ですよね。基本的に続き物だった「世界一難しい恋」も、ラストの5分でぎゃああああ! となる展開が待っていましたが、その「ぎゃああああ」がミサさんとの喧嘩だったりで必ずしもいい展開じゃなかったのが一話完結の鍵部屋との大きな違いです。

ラスト15分で待っている謎解きのカタルシス! 決めポーズ&決め台詞は人気ドラマの象徴のようなもの。

(例:わたし、失敗しないので 倍返しだ! etcetc...)

ひょっとしたら秋ドラマだったら流行語大賞とかにノミネートされたんではないかとさえ思ってました。すいませんファンの欲目です。


まあそれはともかく。


トリックは何だ、どういうトリックが使われたんだ、と迫る芹沢に、榎本はあっさりと「それは、明日お話しします」と焦らします。ミステリーのお約束ですね。

そのセリフに芹沢ブチ切れです。「来たよ来ちゃったよ俺の一番嫌いな奴が。明日って何だよ。どうしてそうもったいぶるんだよ。今言えよすぐ言えよここで言」


(暗転)


このドラマはミステリーなので基本的に人が死ぬわけです。

だからどっちかっていうと雰囲気は暗いはずなんです。実際、人の死そのものは、茶化されることなく至極真面目に取り扱われています。

なのにどうしてだろう。榎本、純子、芹沢三人のセリフがいちいちコメディなのはw

例えば芹沢が純子に「俺は企業法務しかやらないって言っただろ!」と怒鳴った次のシーンでクライアントに向かって「うちは企業法務しか受け付けないなんてケチなことは言いませんから」なんてしゃあしゃあと言い放って純子がすんごい目で芹沢を見てるシーンとか、何度「くすり」と笑わせてもらったことか!

ともかく、芹沢のこのセリフは、ミステリードラマの本質をついています。

探偵は謎が解けているのに、何故かそれをすぐその場で話そうとしない。

何でか「明日お話しします」とか「それは、皆さんが集まってから」といちいちもったいぶるんです。金田○少年の事件簿とかその典型でした。

何でいちいちもったいぶるんだ! わかってるならすぐ説明しろ! いや全くごもっともですね。

しかし、この「鍵のかかった部屋」というドラマは、ただ笑いを取るために無駄なセリフを入れたりはしないのですよ。

それはどういう意味かと言うと……?


密室が解けたー! と慌てて専務の元に駆けつけてみれば、専務は現場を片づけに行ったという衝撃のコメントが返ってきます。

えー! それってどう考えても証拠隠滅やん! 何ですぐ山荘に向かわんかった! と画面越しに事件を追いかけてる身としては勝手なこと言いますが、直接奥多摩に向かっても持ち主がいなければ山荘には入れなかったのだから仕方ない。

というわけで慌てて奥多摩にGOするチーム榎本です。ここで警察に連絡入れて誰か刑事を連れていけば話は早かったんじゃね? と思わなくもない。

そして専務はもっとちゃっちゃと行動してれば完全に証拠隠滅できたんじゃね? と思わなくもない。


まあそこで専務は速やかに奥多摩に向かい証拠隠滅しちゃいました、榎本達間に合いませんでした、じゃミステリーにならんので、そこはしっかり、決定的な証拠が隠滅される前に奥多摩に到着する榎本達です。


ここからは榎本径の独断場ですよ……数々のミステリードラマで見られてきた、容疑者と探偵の仲間が棒立ちの中、一人で現場うろうろしながらトリックをまくし立てるお約束のシーンですよ!


榎本「もったいぶったわけじゃないですよ」

芹沢「え?」

榎本「確認したいことが、あったんです。僕には、法医学の知識がほとんどないので」


ここ! このシーン良かった!

何で探偵ってのはいちいちもったいぶるんだ! という芹沢の疑問に、鮮やかに答えてみせたこの瞬間!

芹沢弁護士は、我がままで見栄っ張りでいろいろと性格的に困ったところも多い人なんですが、ベテランの弁護士だけあって、筋を通す相手にはきちんと敬意を払える人なんです! 多分、このやり取りで芹沢の榎本を見る目が変わったとわたしは信じています!


――で、ここから謎解きです。死後硬直を利用したまさかの密室トリックです。法医学の知識が必要だった、という伏線もきちんと回収し、犯人が絶対の自信を持って決行したトリックを淡々と解き明かしながら犯人を追いつめていく様はかっこいいっていうか怖かった!!!

普通、犯人が追いつめられて激昂すると、探偵もそれなりに感情を返すもんなんです。

どうだ、俺の鮮やかな謎解きは! 的にハイになって笑う探偵もいれば、犯人に対する怒りをあらわにする探偵もいます。犯人に「お前の言うことは矛盾があるぞ!」的な指摘を受ければ「ふっふっふっ。あんたがそういうことはわかってましたよ」的に嫌味を返さずにはいられないのが探偵ってもんですよ!(偏見)


しかし! 榎本径という人間は、何を言われようが、どう返されようが、最後の最後まで声のトーンが変わらないんです!

その表情に浮かぶのは徹底した「無」で、そこに犯人を追いつめてやろうとか犯人を裁いてやろうとか、そんな感情一切ないんです! 彼が考えてるのは、ただ、提示された密室の謎を解いてみせるという、ただそれだけなんですよ!!


何を言われてもどんな対応されてもぶれない榎本に、視聴者「ほおおおおおお」ってなもんです。そしてこの冷静沈着な態度は、周囲に電波します。

榎本に任せておけば大丈夫。もう、謎は完全に解けた、と――


とーこーろーがー!


専務「例えそのトリックが使われたんだとしても! 私が犯人だという証拠はないだろう!」

榎本「はい」

専務「……え?」

榎本「別に、あなたが犯人だと言いたいわけじゃありません。僕はただ、密室の謎を解いただけですので」


このセリフに唖然としたのは純子と犯人だけじゃないと思う!!!

えーっ!? そう来るの!? 密室トリック解けたから犯人に興味ありません、て、そんな中途半端な謎解きがあっていいのか!?


純子が必死に「証拠ありますよね?」と聞いても榎本知らん顔です。勝手にソファに腰かけて後は勝手にしろみたいな態度です。おい殺人現場のソファによく平気で腰かけられるな。


そして、どうやら本当に証拠なんかないらしい、とわかった瞬間、犯人高笑いですよ。

はっはっは、勝利! 例えトリックがばれても、そのトリックを使ったのが自分だという証拠がなければ意味がない! とばかり、現場から立ち去ろうとします。おい赤の他人を残して自分だけ帰ろうとするな。

――なんてツッコミをする余裕もなく、ただ立ち去る犯人を見送るしかない純子と榎本。そこに。


――ドン。


犯人の前に立ちはだかる、最後の壁が!


専務「何だ。そこをどけ!」

芹沢「……どくわけには、いかなくなってしまったんですよ」


芹沢パパー!!!!


芹沢「もしも自殺じゃなかったんだとしたら、あの遺書は犯人が書いたものということになる。遺書にはこう書かれていました――会社がピンチに陥ったとき、専務、あなたが個人的に2000万もの融資をしてくれた、そのおかげでピンチを乗り越えることができたと」

専務「それがどうした!」

芹沢「その事実を知っていたのは、被害者とあなただけだったんですよ。あなた以外の誰に、あの遺書を用意することができたって言うんです?」


きゃあああああああああああああああ!! パパかっこいい――!!!


これまで傲慢でわがままな姿しか見せてこなかった芹沢パパ、最後の最後で決めてくれました!!


芹沢「あなたには自信があった。トリックが見破られなければ、多少不自然なところがあっても、自殺に見せかけることができると。実際、あなたの目論見は半分以上成功していたんです。警察は、一度は自殺と判断して、事件を片づけようとしたんですから」


――彼さえ、現れなければね。


♪~~どうして、目の前を閉ざして~どうする、暗い部屋に一人~♪(主題歌)


うわああああああすげえーっ!!! って素直に唸った第一話でした。

事件に食らいつく新米弁護士、密室トリックを鮮やかに説いて見せる謎の警備員、そして最後の最後で犯人にとどめを刺すベテラン弁護士。

三人の力が合わさっての鮮やかな解決シーンに、まさにスタンディングオベーションでした!!!


最後、主題歌とエンドロールが流れる中、芹沢が第二話で描かれる事件のニュースをカーステレオで聞く傍ら、榎本はもくもくと解錠作業です。

一体、榎本って何者なの? という芹沢と純子の疑問に答えるように――


――ガチャっ。


見事に解錠成功した瞬間、榎本の口元に浮かぶ怪しげな笑み。

瞬間、ぱんっ! と暗転――最後の最後まで、意味ありげでスタイリッシュな締め方でした。


以上、鍵部屋1話の感想を終わります!

何か「世界一難しい恋」に比べてきゃああああ! ぎゃああああ! が多いですがお許し下さい!

根っからのミステリー好きに加えて、「鍵のかかった部屋」は榎本×青砥純子の関係がすごく、すごく好きだったんです!

ドラマの登場人物に真剣に幸せになってくれ! って祈ったのはあれが初めてでしたよ!

果たして二人の関係は進展するのか!?(※何も展開しないことはもう知ってる)


ではでは! 明日から第2話の感想に入ります!