セカムズロスがひどすぎて、セカムズ番宣番組を一から見返してました。
どの番組でも大野智はみんなから愛されてるなあ……としみじみです。
チビちゃんとのやり取りをもう一度見たい。
さて、9話でわたしがもっとも好きなシーンです。ラストシーンよりこのシーンの方が好き。
三浦によって社長室に連行されたまひろ。
社長との対面にど緊張ですが心配しなくていいよ、多分鮫島はあなたのことは眼中にないと肩を叩いてやりたい。
鮫島「そんなに緊張することはない」
まひろ「わたしは何をお話しすれば……」
鮫島「今でもまだ、柴山と連絡を取り合っているのか?」
まひろ「はい。この間も、家に泊まりに行きましたけど」
鮫島はどうやら、ライバルホテルに勤める美咲と自社の社員が仲良くすることについては関心はないもよう。
そういえば、特に作中で言及されることはありませんでしたが、白浜部長が和田社長と懇意の仲というのも特に隠していませんでしたしね。
徹底して「プライベートには関心がない」ってことなんでしょうなあ・
鮫島「そうか。じゃあ、柴山のことは何でも知ってるな」
まひろ「いえ、それほどでも……」
鮫島「靴のサイズは」
まひろ「さあ」
鮫島「指輪のサイズは?」
まひろ「さあ……」
鮫島「おい三浦、これは一体どういうことだ?」
鮫島に腐されて三浦は焦り気味ですが、いや無理もないって。職場の同僚に靴のサイズや指輪のサイズなんか話したりしないってw それは入れ知恵した秘書の感性がちょっとずれてると思うの。
しかし一番知ってても不思議じゃない誕生日をあえて聞かないのは何故だ。履歴書覗き見て調べたのか、そうなのか?
ともかく、三浦に「何か知ってることないの?」と聞かれて「社長が知ってるようなことしか知らないと思う」と答えるまひろに鮫島失望。「とっとと下がれ、時間の無駄だ」とつれない返事。自分から呼び出しておいて何て言いぐさ。
こんな扱いをされるとカチンと来るのか、まひろ、必死に考えてあることを思いつきます。
まひろ「社長は、美咲さんがどうしてホテル業界で働いているのか知っていますか?」
鮫島「そんなの、うちのホテルが好きだからじゃないのか?」
まひろ「違います。美咲さんには、おじいちゃんの残してくれた土地に自分のホテルを建てるっていう夢があるんです」
美咲の大切な夢を鮫島に伝えるまひろ。その言葉に鮫島は「それは初耳だ」と一言。
このときの鮫島の表情が何ともつかみづらいんですよ。感心しているようにも見えるし、ただ「へーそれがどうした?」程度にしか思っていないようにも見えるし。
無表情というのもとも少し違う、といって「何だ、そんなことか」と侮っているわけでもない、何とも形容しがたい表情。この表情を計算で作ったのだとしたらすごい。
そんな鮫島の態度にまひろは身を乗り出します。三浦も言うように「どう考えても彼女一人じゃ無理」な壮大な夢。でも、鮫島の財力と人脈があれば、その夢を叶えてやることができるのでは?
まひろ「社長は、助けてあげたいとは思いませんか? 社長くらい余裕があったら、美咲さんの夢を叶えてあげることができますよね?」
三浦「それいいっすね! 夢を叶えてくれたら、美咲ちゃん、きっと喜びますよ!」
年若い二人の無邪気な言葉に、鮫島が投げかけるのは冷たい一瞥。
軽蔑しているのではなく、何もわかっていない若輩者を諭す大人の表情です。
鮫島「それは、違う」
三浦・まひろ「え?」
鮫島「それが本当に彼女の夢だと言うのなら、自分の力で叶えなければ、意味がない。応援はするが、手助けはしない」
わたしが作中で一番好きと言っても過言じゃない、鮫島の信念に基づく一言です。
そしてこの言葉を聞かされたときのまひろちゃんの表情もすごい。
相手は社長だから、面と向かって言い返すことはできないけれど。でもその返事にものすごく不満がある……見事に感情が伝わってきました。
鮫島「そんなことより、もっと他に、有益な情報はないのか?」
ネット上でもたびたび見かけた意見ですが、鮫島はものすごいセレブなのに金を武器にしようとしないところが潔い。
結果的に車だとか100万越えの自転車だとかをポンと購入したりしてますが、高価なプレゼントで美咲の気を惹こうとか、そういう思考に一切至らないのが本当にすごい。
多分金目当てに寄ってきた女性なら多数いたと思うのですが、逆にそういう女性にはうんざりしてるから金で釣れる女には興味がないってことかもしれませんね。
かっこいいぞ鮫島!
シーン切り替わって美咲の自宅。今日もまひろは美咲の家に遊びに行っているもよう。
美咲の前でお酒煽りながらまひろはとってもご立腹。「あたしもう社長にはがっかりしました!」と美咲の前で遠慮なく愚痴をぶちまけてます。
(元)恋人の悪口を笑顔ではいはい聞いてる美咲の表情が涙を誘う……もしほんの少しでも気持ちがあったら、恋人を悪く言われたら「むかっ!」ってなるもんですけど、一切そんな様子見せませんね……
美咲「何かあったの?」
まひろ「社長に、美咲さんの夢のこと、話したんです。自分のホテルを建てたいっていう。社長くらい余裕があったら、俺が全部引き受けてやるって、言えるじゃないですか! なのに社長、言うんですよ。自分の力で叶えなければ、意味がないって」
美咲「え?」
まひろ「応援はするが手助けはしないって。そんなの、ただの逃げじゃないですか!」
美咲「……本当にそんなこと言ったの?」
まひろ「はっきり言ってました! 美咲さん、社長から手を引いて正解でしたよ」
あんな男やめとけやめとけと言うまひろとは対照的に、美咲は衝撃を受けた様子。
美咲「……わかんなくなってきちゃった」
まひろ「え?」
美咲「そんなことを言ってくれる人だとは、思わなかったから」
まひろ「え、美咲さん。そこ喜ぶところじゃないですよ!」
あたしは美咲さんのことがわかりませんというまひろに、美咲は深く考え込む様子。
まだ若く、そして本当の意味で「叶えたい夢」を持たないまひろには伝わらなかった言葉が、美咲の胸には深く深く突き刺さったもよう。
そういえば、一話で美咲は元彼ミルコから「どうせ一人では何もできない」と言い放たれて涙していましたね。
無謀な夢だってことは、自分でもわかってる。
誰も本当の意味で、その夢を理解してくれた人はいなかった。
でも鮫島だけが理解してくれた。夢は自分の力で叶えるからこそ意味があると、応援すると、はっきり言ってくれた。
8話のあの様子から、どうやったら美咲が鮫島に惚れる展開になるのかわからないと言われていました。
でも一話からしっかり伏線は張られていたんですね。
鮫島と美咲は価値観が似ているんだと思います。お互いに大切なもの、譲れないものが似ているんじゃないでしょうか。それって一番大切なことだと思うんですが。
そんなわけで、まひろGJにより美咲の鮫島に対する意固地な気持ちがほだされた瞬間でありました。
美咲がそんな感銘を受けているとは露知らず、鮫島はステイゴールドホテルのまわりをうろうろしては会えず仕舞いでため息を繰り返していますが。
大丈夫、雪解けはすぐそこに!