○アメリカ大陸の先住民は、我々と同じモンゴロイド系です。シベリアとアラスカの間にある、ベーリング海峡がまだ氷に覆われて繋がっていた時、そこを歩いて渡ってきました。基本は農耕文化です。主な農作物はトウモロコシ。米とか麦とか、穀物はありません。家畜と言ったらリャマ・アルパカ。牛や馬はいない。高度な石造技術や暦を持っている割に、旧大陸では当たり前の“鉄”を知りません。あと、面白いのが車輪を知らなかったことです。コロコロできません。
メキシコ湾岸地域に最初に現れた文明がオルメカ文明です。巨大人面彫刻がごろごろ発見されています。そんなオルメカ文明を発展させたのがテオティワカン文明。「太陽のピラミッド」と「月のピラミッド」という遺跡が有名です。トルテカ文明は名前だけ覚えておけばOK。
さて、メキシコ湾につきだしているのがユカタン半島です。ゆかたん半島。なんかかわいい。ここで生まれたのがマヤ文明です。マヤ文明と言えば、複雑な形をしたマヤ文字。そして、天体観測を基にして作られた正確な暦ですね。あと、珍しいのが二十進法。ここでしか聞きません。
では、メキシコ高原に戻りましょう。スペイン人がやって来た時、栄えていたのがアステカ王国です。首都はテノチティトラン。最盛期には約30万人もの人口がありました。ここ、湖に浮かぶ島なんです。現在では湖は無くなって、そこにあるのは街…シティ…そう、現在のメキシコの首都メキシコシティです。
一方のアンデス高原では、メキシコとは無関係に、独自の文化が発展しました。まずは、チャビン文明。そして、地上絵でお馴染のナスカ文明。これらの文明の影響を受けて生まれたのがインカ帝国です。首都クスコを中心に、道路網を整備して中央集権的な国家を建設しました。クスコの町に残る石積みの壁には、隙間が無く、ナイフの刃も通しません。ただ、このインカ帝国…文字は持っていませんでした。代わりに持っていたのがキープ。日本語で結縄(けつじょう)と訳されます。縄を結んで結び目を作り、その形や数で数字を表しているんです。ちなみにこれ、数え方は十進法です。
最後に。アステカ王国を征服したのがコルテス。インカ帝国を征服したのがピサロです。彼らはともにスペイン人。財宝や領土の獲得、そしてキリスト教の布教などが目的でした。彼らはスペイン語で“征服者たち”を意味するコンキスタドールと呼ばれます。