〇さぁ、726年に聖像禁止令を出した東くんですが、本当の名前はレオン3世です。

ここから進展するぞ。カール=マルテルは王ではない。宮宰だ。宮宰ってのは、王領地の管理人という役職で、国のNO.2です。マンションの管理人のおじさんみたいなね。ただ、カール=マルテルは王になる前に死んじゃう。そこでその子ども、ピピンちゃんが国民に推される形で王になるんです。キリスト教世界では革命は絶対禁止ですよ。下剋上なんてありえない。だからこれ、本当はダメなんじゃないの?でも、ローマ教皇は支援するんですよ。これ、お父さんがやってくれたこと、すなわちトゥール・ポワティエ間の戦いでの勝利への恩返しなんです。

 

●キリスト教世界を守ったヒーローですもんね!

 

○でも、ピピンからすれば、その業績はお父さんのですから、キョウコになんかお返ししてあげなくちゃなーって思うんです。当時、キョウコにはストーカーが居ました。ランゴバルドです。危ないから討伐します。そしてその土地を奪って“恩返しの恩返し”をします。これ、ラヴェンナ地方と言って、のちのローマ教皇領の起源となります。756年、ピピンの寄進です。土地をもらったら??結婚するしかないだろ。でもピピンは死んじゃいます。その子どもがカール大帝。シャルルマーニュ(フランス語)とも言います。こんな名言があるよ。「マホメットなくしてシャルルマーニュなし」。ベルギーの歴史家ピレンヌという人の言葉。イスラーム教徒がもし攻めて来なかったら?シャルルマーニュがこういう形で登場してくることは無かったってわけ。さて、英語が得意な人…マグニフィシェントって意味わかる?

 

●荘厳な!偉大な!

 

○そうですね。実はこの、マグニフィシェント…シャルルマーニュのマーニュから来てるんですって。では、いきましょう。カールの戴冠です。場所はサン=ピエトロ大聖堂。西暦800年、クリスマスの朝。キョウコは帽子を持って待っている。昔付き合っていた西くんがかぶっていた帽子だ。その帽子を、フランクにあげるんです。これであの西ローマ帝国が…復活したんです!!!

 

●なるほど!政治と宗教が再び結びついたわけですね!

 

〇そういうこと!じゃあ内政を見ていこう。カール大帝は、各州に伯を設置して、それを巡察使で監視する中央集権体制をとった。ルネサンスというのは古いものを復興することです。ローマ文化の復興をします。これはローマ人との親密化のため。まだ周りのゲルマンの多くはアリウス派なんですよ。そこでアルクインという宣教師をイギリスのカンタベリから呼んできてアタナシウス派を布教させる。あとは、アインハルトに『カール大帝伝』を書かせている。

 

●ふむふむ。

 

○続いて外征。774年、ピピンが懲らしめたランゴバルド王国を完全に征服して北イタリアを統一する。ちなみに、北イタリアにロンバルディアってあるよね?ランゴバルドランゴバルドランゴバルド…ロンバルディア。そういうことです。さらにモンゴル系のアヴァール人を撃退している。アヴァール人はその後、ハンガリーへ定着するよ。さらにザクセン人を討って、エルベ川下流域を併合。ただ、後ウマイヤ朝との戦いには負けるんです。そのあと、甥を戦死させてしまう…。その甥の名前がローランと言って『ローランの歌』という物語になっています。以上ここまで。

 

☆センターチャレンジ

カール大帝の父王について述べた文として正しいものを、次の①~④のうちから一つ選べ。[00 追試]

① ローマ教会が正統とする教説を初めて受け入れ、フランク王国とローマ教皇とを結び付けた。

② 東方から移動してきたマジャール人を撃退し、国内への侵入を防いだ。

③ トゥール・ポワティエ間の戦いでイスラーム教徒の軍勢を退けた。

④ 後の教皇領の起源となる領地をローマ教皇に寄進した。

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

正解は