○今日はアケメネス朝ペルシア(前550~前330年)の歴史!アケメネス朝ペルシアがメディアから自立してきたって…話はこの間したよね!ちなみにペルシアって今のどこを指しているか分かる?
●はい。イランです。
○その通り!ってわけで、アケメネス朝ペルシアを建てたのはイラン人。語族はインド=ヨーロッパ!今回はエジプト新王国の時みたいに、王様毎に業績を整理していく形で勉強していこう!
●ついていきます!
○まずはアケメネス朝ペルシアの建国者であるキュロス2世から!彼のポイントは2つ!まず1つ目はエジプト以外の3王国を征服したこと!で、2つ目が、前538年にヘブライ人をバビロン捕囚から解放したこと!これはよく出る!以上。
●なるほど。ってことは次のカンビュセス2世がエジプトを征服して、オリエント再統一ですか?
○エクセレント!で、いよいよ登場してくるのがダレイオス1世!この人は覚えることが盛りだくさん!!!
●もう沢山…。
○甘いこと言ってないでいくよ!まず、新年のお祭りなどを行うための祭都としてペルセポリスの造営を始めた!
●あれ?それって普通の都とは違うんです?
○実は、アケメネス朝ペルシアには都が4つあって、それぞれに役割があったんだ!政治の中心地がスサ、儀式を執り行う場所がペルセポリス!他にも、夏の王宮エクバタナと、冬の王宮バビロンがあったんだよ!
●そりゃすごい!ってか今地図見たんですけど、アケメネス朝ペルシアってめちゃくちゃ広いですね!
○そう!なんたってエーゲ海の北岸からインダス川までぜーんぶアケメネス朝ペルシアだからね!だからダレイオス1世は国内を20の“州”に分割して、各地に“サトラップ”と呼ばれる知事を派遣した。このサトラップが地方の人民を支配して、治安維持や徴税にあたっていたんだよ!
●でもサトラップが好き勝手やったらどうするんですか?
○そ・こ・で!ダレイオス1世は、王直属の監察官を地方に派遣した!これを「王の目・王の耳」という!
●なるほど!見張り役ってわけですね!でも、いざ遠くで何か問題が起こった時、すぐに駆けつけられなくないですか?
○そのために整備されたのが「王の道」だ!この王の道、スサからサルデスまで繋がっている。スサは行政の中心地だから良いとして、どうしてサルデスまで繋がっているか分かるかな?
●えっと…サルデスって確か、リディア王国の都でしたよね?…リディアと言えば………あ!世界初の金属貨幣!
○その通り!実はリディアの貨幣がギリシアに伝わって、ギリシアの繁栄を支えたんだ!そして、ダレイオス1世の生きた前5世紀と言うのはまさにギリシアの絶頂期!つまり、ダレイオス1世は、ギリシア繁栄の背景となった地中海交易を狙っていたんだ!
●なるほど!王の道ってのは、軍道であるのと同時に、重要な交易ネットワークでもあったんですね!
○ちなみにこの王の道、全長約2400kmもある。だから駅伝制を整備した。
●駅伝制ってなんですか?
○役人や馬を配置した宿駅を設けて、ながーい距離を効率よく移動するためのシステムを整えたんだ!これが駅伝制!
●あ~!じゃあお正月にやってる箱根駅伝と同じですね!中継所にあたるのが宿駅ってわけだ!
○そういうこと!このへんはアッシリア帝国を参考にしているのがよく分かるよね!
●あ!先生!!!アケメネス朝ペルシアって220年も続いたんですか!?こんだけでかい帝国を220年も維持するなんてすごくないですか!?なんか秘訣でもあるんですか!?
○“アメとムチ”だよ。アッシリアとは真逆の寛容策を取ったんだ!例えば、迫害されていたユダヤ人には信仰の自由を与えたし、フェニキア人やアラム人の交易も保護した!
●なるほど!でも、そんなアケメネス朝ペルシアも最後は滅ぶわけですよね。滅んだ原因は…外からの攻撃、ってことですか?
○その通り!
●だれですか!!!いったい誰が攻撃したんですか!
○結論から言っちゃうと、アレクサンドロス大王という人物。アレクサンドロス大王のことは“ヘレニズム”というところで詳しく勉強するよ!
●分かりました!
○とりあえず今日は、アケメネス朝最後の王であるダレイオス3世を見て終わりにしよう!ダレイオス3世は今話したアレクサンドロス大王と2回戦ってる!1回目が前333年のイッソスの戦い、2回目が前331年のアルベラの戦いだ。ダレイオス3世は、アルベラの戦いに負けて逃げる途中に部下に裏切られて殺されちゃう。そして前330年、ペルセポリスは陥落し、アケメネス朝ペルシア滅亡です。
☆センターチャレンジ
ペルセポリスの建設にかかわった人の名として正しいものを、次の①~④のうちから一つ選べ。〔02 追試〕
① シャープール1世
② ダレイオス1世
③ ホスロー1世
④ キュロス2世