○エジプト新王国には、有名な4人の王様が居る。トトメス3世➡アメンホテプ4世(イクナートン)➡ツタンカーメン➡ラメス2世。この4人の業績を追っていこう!

 

●うぃっす。ファラオ先輩よろしくっす。

 

○…。さっそくトトメス3世から。この人は簡単!最大版図、それだけです。問題は次のアメンホテプ4世だ。この人は“エジプトの宗教改革者”なんて呼ばれている。これがどういうことか…まずエジプトの宗教について知っておこう!エジプトというのは多神教の国家。一番えらい神様はラーと呼ばれる太陽神で、その他にも各都市に神様(都市神)がいる。で、その王国の首都神+ラー神を合体させた形で呼ばれて、信仰されていたんだ。

 

●ってことは、各時代の都を確認しないとですね!

 

○古王国はメンフィス、中王国はテーベ、これはもう勉強したね!で、新王国もテーベなの。つまりテーベに都を置いている時期が長く続いている。だから、テーベの神様が信仰される時間が長かった、ということになる!ちなみに、テーベの神様はアモン神。

 

●ってことは、アモン神とラー神を融合させて…アモン=ラー神を長い間崇拝していた…ってことですか!?

 

○その通り!と、ここである問題が起きます。なんとアモン=ラー神に仕える神官たちが、王以上に力をつけてくるのです!!!みんなも神様に拝む時って、お布施を持っていくよね?それを神官たちは私利私欲に駆られて自分の懐に入れちゃうんですよ!で、そのお金で政治を操っていくのです!

 

●政治が腐敗しちゃうじゃないですか!!!そんなの王様の正義感が許しませんよ!

 

○そう!正義感の強い王様は、黙って見ていられないよね?その王こそアメンホテプ4世なんだ。彼は腐敗しきった神官団を排除しようと考えた!

 

●そのためには…んーと………神官ってのは首都の神様に仕えているわけだから………分かった!首都を遷しちゃえば良いんだ!

 

○そうなんです!そこで彼は、当時未開の地だったテル゠エル゠アマルナに新都を築き、神様をアトン神に変えた!さらには、自分の名前をイクナートン(アトン神に愛される者)と改名して、自らがアトン神に仕える神官だと宣言するのです!

 

●そうすれば…イクナートンにお布施が集まる!

 

○まさしく!彼はそのお金で様々な芸術品を作った。それでこの時代にはアマルナ美術という写実的な芸術が栄える!んだけど…

 

●…その繁栄も長くは続かない…?

 

○そうなんだ。イクナートンが亡くなった後、その子であるツタンカーメンが王になるんだけど…彼はまだ子どもだった。結局ツタンカーメンは、財宝や権力を狙う大人たちの様々な陰謀によってアモン信仰を復活させてしまうのです…

 

●え!ツタンカーメンって有名なのに、業績はアモン神を復活させただけですか!?

 

○それでじゅうぶんです。で、最後は“征服王”と呼ばれるラメス2世。ラメス2世が出てきたら絶対覚えなくちゃいけないのがカデシュの戦いだ!これは紀元前1286年頃、南進してきたヒッタイトという民族との戦争で、世界初の国際条約と結んだ。この戦争は、結局ラメス2世が負けるんだけど…彼が建設させたアブシンベル神殿には、まるでエジプトが勝ったかのような壁画が残されている!

 

●わかりました!これでエジプト新王国も終わりですよね?なんとか覚えられそうな気がします!

 

○あ、あとエジプトとメソポタミアでよく比較されるんだけど、エジプトは太陽暦を採用で、数の記述法は10進法。これで完璧ね。

 

●メソポタミアと混ざらないように整理しておきます!

 

 

 

 

☆センターチャレンジ

 

古代エジプトの歴史について述べた次の文acが、時代の古いものから順に正しく配列されているものを、下の①~⑥のうちから一つ選べ。〔06 追試〕

a カンビュセス2世治下のアケメネス朝ペルシアと戦った。

b アメンホテプ4世(イクナートン)がテル゠エル゠アマルナに都を移して、太陽神の崇拝を推進した。

c ヒクソスと呼ばれる人々が下エジプトに侵入し、エジプトの政治的統一が失われた。


 

① abc   ② acb   ③ bac

④ bca   ⑤ cab   ⑥ cba

 
 
 
 
 
 
 
正解は