●先生!これから1年間よろしくお願いします!




◯よろしく!



●なんでも、このブログを読めば授業を聞かなくても大丈夫だ!と、不真面目な先輩が言ってました!




◯ちょっ!そんなわけないから!!!ここで分かるのはあくまで大まかな流れ!細かい内容については授業を聞かないと理解できないし、もちろん試験でも点数は取れません!



●ですよねぇ。で、今日のテーマはなんですか!?




◯今日のテーマは産業革命です!さっそくだけど、産業革命には、3つの条件が必要なんだけど…何かわかる?



●んー…ヒントください!




○…答えは「資本」と「市場」と「労働力」です!



●なんで言っちゃうんすか!…でもまぁ、機械を作るにも「資本」がなくちゃ始まらないですもんね!その点、イギリスは、羊さんの毛で相当儲かっていたはず!




○よく知ってるね!イギリスは古くから毛織物業が発展していたからね!あともう一つ。この頃、農業生産高がグーーーンと上がったんです!その秘密が“ノーフォーク農法”。“四輪作法”とも呼ばれます。あ、ちなみに三圃制って知ってる?



●はい!土地を春耕地・秋耕地・休耕地の3つに分けて、3年で1巡させる輪作です!




○その通り!でも、これって結局どこかの土地が休んでるから生産性が抜群とは言えないんだよね。そこで登場したのが“ノーフォーク農法”!土地を4つに分けて小麦、大麦、クローバー、カブを植える。で、一年ごとにぐるぐる回していく。



●そんなことしたら土地が痩せこけちゃいませんか!?




○その秘密は授業で。



●えっ!気になる!




○これで生産性があがり、資本が蓄積されました。2つ目の「市場」とは、製品を売る場所。イギリスは、フランスとの植民地戦争に勝利してこれを獲得しています。



●逆に言うと、負けたフランスは市場が無いから産業革命の開始が遅れる、というわけか。




○で、最後に「労働力」。どんな機械でも、ボタンを押す人が必要だからね。さて、どこから労働者がやってきたか…その答えはエンクロージャー!



●柵で囲むんですか?




○んー…まぁそんなところ!



●とにかく、小作人は土地を追い出されちゃうんですね。



○その通り!でもこれって、とんでもない社会現象になるでしょ?だから“第1次囲い込み”は非合法だったんです。でも“第2次囲い込み”は違う。穀物を生産するため、政府が要請したんです。





●第1次は、牧羊のために非合法で行われたのに対して、第2次は穀物増産のために合法的に行われたってことですね!



○そういうこと。さて、いよいよ機械を発明していきましょう!産業革命のキャッチコピーは、“道具から機械へ”だ




●はい!



○鶴の恩返しを思い出そう!鶴は布を作っていたよね。あれが織機です。さて、ガンディーを思い出せ。糸を紡いでいるな。それが紡績機だ。この2つの工程で布は作られる。まず、1733年:<ジョン=ケイ>が(飛び杼)を発明し、布を織るスピードが格段にアップした。しかし、この発明によって今度は糸が追い付かなくなった。そこで、<ハーグリーヴズ>が発明したのが(ジェニー紡績機)。ただこれ、細くて弱い糸になっちゃうんです。それに対して<アークライト>が発明いたのが(水力紡績機)。今度は強いんだけど太い糸になっちゃった。




●ちょうどいいのが無い…。



○というわけで、ジェニーと水力の長所を掛け合わせた新たな発明が<クロンプトン>の(ミュール紡績機)です。細くて強い糸の誕生です!!!そして、1785年、織機の部門で新たに<カートライト>が(力織機)を発明します。一回ボタンを押せばずーっと動きます。ただ、そのためには蒸気機関が必要なんです。すなわち、<カートライト>が(力織機)を発明した時、既に<ワット>が蒸気機関を実用化させていたのです!




●なるほど!



○ちなみに、ワットは蒸気機関を改良・完成させた人物で、発明したのは<ニューコメン>という人。ニューってところが発明者っぽいよね!




●ところで…機械に欠かせない鉄はどうやって作られるんですか?



○鉄は、鉄鉱石からつくられるよ。ただ、最初は不純物が混じってる。そこからFeだけを取りたいわけです。で、石炭と混ぜるとこれが取れる。その中でも良質な石炭をコークスと言います。コークスによる製鉄を始めたのがタービー親子です。最後は交通革命!<フルトン>は、ハドソン川を蒸気船で航行した。この人はアメリカ人ね。




●まさかのアメリカ人が活躍ですか!



○実はもう一人だけ産業革命にアメリカ人が登場する。1793年:綿繰り機という機械を発明した人で、名前を<ホイットニー>と言います。ここからアメリカの南部では、タバコや米の栽培から、黒人奴隷を使った綿花栽培にシフトしていくんです。




●なるほど。南北戦争のきっかけになっているんですね。



○そう。さて、蒸気機関車の実用化は、1825年、スティーブンソンという人によって行われた。区間はストックトン~ダーリントン。一方営業化は1830年、マンチェスター~リヴァプールです。もちろん、機関車は意味のあるところを走ります。ただ、この時の蒸気機関車、名前はロケット号というくせに、時速32km。こんなロケットじゃ、大気圏で燃え尽きちゃいますね。










☆センターチャレンジ

蒸気機関をめぐる技術的発展について述べた次の文の空欄 a d に入れる人の名の組合せとして正しいものを、下の①~④のうちから一つ選べ。[02 本試]


a によって考案された実用的な蒸気機関が、 b によって画期的な改良を加えられた後、 c によって蒸気船が、 d によって蒸気機関車がそれぞれ実用化された。

a-ワット      b-クロンプトン  c-フルトン       d-スティーブンソン
a-ワット      b-ニューコメン  c-スティーブンソン  d-フルトン
a-ニューコメン b-ワット      c-フルトン       d-スティーブンソン
a-ニューコメン b-ワット      c-クロンプトン     d-フルトン