アマチュア高齢者劇団の可能性 | イシコのセカイサンポ

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旅行作家イシコの活動記録一覧です。
著書に「世界一周ひとりメシ」(幻冬舎)、「世界一周ひとりメシinJapan」(幻冬舎)、「人生がおもしろくなる!ぶらりバスの旅」(幻冬舎)「世界一周飲み歩き」(朝日新聞)

90歳の脚本家と演出家の元、
86歳の俳優はじめ、70代、80代の出演者が東京芸術劇場(シアターウエスト)の舞台にあがります。

アマチュアのミュージカル劇団「ステージドア」。
遠藤周作さんがやられていた「樹座」から独立し、
30年間、コロナ禍を除いて、ほぼ毎年、公演しています。
旗揚げから2年ほどは僕も関わっていましたが、
パートナーは音楽、歌唱指導、昨年からは演出(90歳の演出家を補う助手に近いのかな)と、ずっと携わっています。

僕のような素人に言われたくないでしょうが、プロの俳優のように、決して上手くはありません。
セリフを忘れることなんて当たり前のトラブルだらけ。
そんな高齢者のアマチュア劇団にチケット代を払って観る価値があるのかと思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、舞台に立っているだけで、
その人の人生がにじみ出て、
セリフ以上の味わいがあり、
僕にとっては商業演劇や小劇場の芝居とは、また違った楽しみがあるんですよね。
毎年、楽しみな舞台の一つ。

後期高齢者が多いメンバーなので、
裏方の苦労が多いことは想像に難くありません。
パートナーはともかく、
音響、照明、舞台美術に関しては日本を代表する一流のスタッフ陣が、
そして、細かい様々なサポートをパートナーの若い教え子たちが支えています。

昨日、終演後、一緒に観劇に行った友人(彼女も虜になった一人で毎年、いらっしゃっています)と食事しているところに、
パートナーも後から加わり、
高齢者劇団ならではの裏話を聞いていました。
稽古中から日々の生活のサポートまて、高齢化社会と介護社会のヒントが山ほど詰まっています。

聞けば聞くほど、
映像か文章か、それとも研究なのか、ドキュメンタリーなのかノンフィクションなのか、大学連携なのか、
ステージドアの取り組みは何かの形で記録検証してみたいなぁと強く思いました。
思っているだけではいけないんですけどね。

それにしてもダブルキャストでもないのに、4日間も、よくやるよなぁ。