2万9千分の1の朝食 | イシコのセカイサンポ

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旅行作家イシコの活動記録一覧です。
著書に「世界一周ひとりメシ」(幻冬舎)、「世界一周ひとりメシinJapan」(幻冬舎)、「人生がおもしろくなる!ぶらりバスの旅」(幻冬舎)「世界一周飲み歩き」(朝日新聞)

神奈川県相模原市。
朝5時開店の小さな食堂があります。
看板もありません。
「営業中」の小さな看板がかかっているだけ。

店内の黒板にはサンマ定食などと書かれているのですが、店内にいる客は全員、ビール、酎ハイなどアルコールを飲んでいて定食を食べている人はいません。

壁には短冊が貼られ、こちらは飲み物と酒に合いそうなおつまみがずらり。
どうやら朝飲みを楽しむこともできる、いや、そちらがメインの店らしい。

前夜の相模原祭りの話題から、高校野球神奈川大会の東海大相模と県相模原の相模原対決の準決勝の話まで相模原愛の強いこと。

そこへ男女二人組が入ってきました。
女性はママと呼ばれ、男性は、かなり飲んでいるようです。
どうやらスナックの閉店後、ずっと飲んでいたらしい。
僕は朝食でサバ焼き定食をいただいていますが、彼らの夜は、まだ続いているのです。

人生80年としても朝食は約2万9千食。
多いと感じるか少ないと感じるかは人によりますが、ふと2万9千部の1を意識させてくれる朝食でした。