何かと引っ越しすることが多い。
次の場所にもっていく必要がない、
しかし捨てるのには忍びないものに本がある。
そんな時、引っ越し先に送る荷物とは別に実家に荷物を送る。
本や資料が入った段ボール箱はしばしば実家宛に送る。
実家宛に送られた段ボール箱はどうなるのか。
一部は箱から取り出されて本棚に並ぶ。
中には箱に入ったまま倉庫の隅っこに眠っているものもある。
ひとつは、語学などその地で勉強してきた資料。
→すぐに使うわけでないけれど捨てられないもの。
もうひとつは、箱から出して本棚に並べるほど読まないもの。
→必要な時に箱から取り出してくればよい。
ここまではいずれも使用頻度が低いからお蔵入りしている。
しかし、最後のひとつはこれまでと趣が異なる。
それは人に見られると困る種類の本である。
別にアヤシイ本とか、人には言えない本があるわけではない。
それでも、わかる人が見るとアタマの中を覗かれているようで恥ずかしい。
アヤシイかったり、アブナイ本ではないから本棚に並べても問題ない。
しかしこれらの本が、 「どういう風に本箱に収まっているのか」
その並び方を見ると、段ボール箱に無造作に収めた状態で見られる以上に困る。
裸体をさらすように、自分のある部分を晒すことになるのだから。
幸い、私の家族は本には興味がない。
もしも突然私が亡くなっても、本ならば中を確認することなく処分してくれるだろう。
そんな安心感もあって、本箱に並べずに本を段ボール箱に入れたままにしている。