ハイン・プリーンバッケ(Hein Priembacke)ドイツの古いアニメーション | 知られざる いろんなもの

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日本では殆ど知られていない、海外の珍しいものの紹介。

アフリカのハイン・プリーンバッケ

Hein Priembacke in Afrika

 

 

 

【監督】

スヴェント・ノルダン(Svend Noldan)

 

【制作会社】

アトリエ・スヴェント・ノルダン(Atelier Svend Noldan)

 

【公開年】

1930年(1931年?)

 

プリーンバッケとクラバウターマン

Priembacke und der Klabautermann

 

 

 

【監督】

スヴェント・ノルダン(Svend Noldan)

 

【制作会社】

IG・ファルベンインドゥストリー(IG Farben) (AGFA)

アトリエ・スヴェント・ノルダン(Atelier Svend Noldan)

 

【公開年】

1932年(1933年?)

 

ドイツの古いアニメーションってどんなかな?

と思って調べてみたところ、結構出てきました。

 

その内の一部です。

 

ハイン・プリーンバッケ(プリームバッケ)というのは、

スヴェント・ノルダン監督のアニメーションシリーズのキャラで、

船乗りの男です。

 

YouTubeに出ていた2つの映像を鑑賞しましたが、

アニメーション黎明期にしては、

動きが良いんですよね。

 

前者は、ハインの乗った船がアフリカの砂漠に打ち上げられ

上陸した先で色々冒険するお話ですが、

椰子の実を落とそうと石を投げるものの中々当たらず、

結局は木に登るのですが、取ろうと思ったら、

実はワラビーだったという(アフリカなんですけどね)。

 

畑に作物(カブ)が生っていると思いきや、

引っこ抜いてみると何故か土に埋まっていた未開の部族人で、

怒ったその部族の人たちに追いかけられるという。

(なんで人が土に埋まってたの?意味不明)

 

まあ、今の時代感覚から見れば凄い問題になる描写ですけど、

当時の時代感覚がそうなんで。

 

後者は、船上でクラバウターマンに遭遇したハインが、

彼を追い出そうと試みるお話。

 

クラバウターマンとは何ぞや?と思って調べてみました。

北海やバルト海に古くから伝わる船の座敷わらしみたいな存在で、

この精霊が宿る船は沈まないという伝説があるそう。

普段は人の目には見えませんが、

船に危機が迫った時にその姿が見えるとされ、

それを知らせるためにイタズラするとも。

クラバウターマン | 海賊物語

 

ボクシンググローブでもって、

クラバウターマンを倒そうとするのですが、

デッキブラシをクラバウターマンと勘違いしてしまい、

穂を踏んづけて立ち上がった柄に頭部をぶつけて勝手に倒れるという。

 

で、結局は追い出す事に成功するのですが、

守り神かも知れないクラバウターマンを追い出すとは、

一体なにやってるんすか?

 

クラバウターマンは、特に何も悪い事をしていないのに。

というか、危険を知らせる為に出てきたんでしょうよ、多分。

 

ハインは、彼が単なる幽霊と思っていたのか?

それともクラバウターマンが何なのか知らないのか?

 

というか、ハインの目には、

クラバウターマンの姿が見えないのでしょう。

闇雲にグローブを振っていましたから。

そして、何かオチがあるのかと思いきや…。

 

でも、アニメーション処理技術は高いです。

 

YouTubeに出ている説明によると、

オレゴン州ポートランドにある、

現在閉鎖されている

「Access Film Library in Portland, OR.」

で発見されたそうです。

ポートランド州立大学図書館の

映画保管庫でしょうか(わかりません)?

 

Wikipediaによると、

プリーンバッケの旅行と冒険

(Hein Priembacke's Fahrten und Abenteuer)

プリーンバッケとノコギリエイ

(Priembacke und der Sägefisch)

などもある様です(いずれも1928年)。

Svend Noldan – Wikipedia

 

ノルダンは、1893年(チャイコフスキーの没年)に、

バート・ナウハイム(Bad Nauheim)に生まれた、

画家、ドキュメンタリー映画監督です。

 

ドイツアニメーション黎明期から活躍。

同時代活躍には、

「ドイツのウォルト・ディズニー」と呼ばれた、

ハンス・フィシャーケーゼン(Hans Fischerkoesen)

がいます。

 

1978年まで長生きしています。

 

ちなみに、ドイツ初のアニメーションは、

グイド・ゼーバー(Guido Seeber)の、

「1910年 明けましておめでとう」

(Prosit Neujahr 1910)

らしいです(YouTubeにその映像が出ています)。

 

10年も前ですが、100周年のお祝いはされたんでしょうか?

 

ドイツアニメ100周年に関する記事。

Deutscher Animationsfilm: Vom Pionier zum Hinterbänkler - DW

Deutscher Trickfilm wird 100 Jahre alt | Kultur - HNA

 

ドイツアニメーションは、

戦前はそれなりに輝いていたそうですが、

第二次世界大戦でのドイツの敗戦の影響で

戦後は特にパッとしない活動ぶりの様で、

気の毒ではあります。

 

ドイツのアニメと言えば?と問われて、

思いつくものって、中々出てこないでしょう。

 

ロシアは、ドイツから接収したカラーフィルム技術のお蔭で、

終戦直後に早くもカラーアニメーションを作っています。