日韓併合時代の朝鮮映画 前編 | 知られざる いろんなもの

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日本では殆ど知られていない、海外の珍しいものの紹介。

既にリンク切れしている2005年2月23日付の朝鮮日報の記事で、

日帝時代の韓国語映画 初めて発見 - Chosun Online

というのがあるのですが、

この記事で紹介されている4本の映画について調べてみました。

 

まずは記事の引用から。

 

《引用開始》

 

韓国語で制作された日帝時代の劇映画4本が

韓国映像資料院により初めて発見された。

 

同資料院は22日、昨年、中国と日本で収集作業を行い、

韓国語映画4本と解放直後の記録映画4本、

解放前の記録映画1本を発見したと明らかにした。

 

同資料院はこれまで、解放前に制作された映画のうち、

日本語の劇映画3本と韓国語の劇映画3本の

一部プリントを保有していたが、

当時韓国語で制作された映画の

プリント全体を入手したのは今回が初めてだ。

 

今回発見された劇映画は38年作『軍用列車』、

39年作『漁火』、41年作『家のない天使』『志願兵』で、

『漁火』を除いては韓国語で制作されているが、

内容的には親日映画として分類される作品だ。

 

《引用終了》

 

 

発見されたのは2004年ということで。

 

軍用列車

군용열차

 

 

 

《原作・脚本》

イ・ギュファン(李圭煥)

 

《監督》

ソ・グァンジェ(徐光済)

 

《脚本》

チョ・ヨンピル(趙英弼),菊池盛央

 

《制作会社》

東寶映画株式会社 美術部

 

《時間》

67分

 

《封切》

1938年6月29日

 

《資料》

輝国山人の韓国映画 軍用列車

 

朝鮮語に日本語字幕。

日本の俳優、小林重四郎も出演(5枚目の画像)していますが、

日本語を喋ります。

 

日本人女優佐々木信子は、

チョン・スニ(鄭順姫)という食堂車の女給役ですが、

(6枚目の右側の人物?)朝鮮語を喋っている?

 

朝鮮人は、プライベートでは男も女も朝鮮民族衣装を着ています。

 

Wikipedia頁が無い様ですが、

輝国山人さんが詳細に調べてくださっています。

ありがたや~!!

 

漁火

어화

 

 

 

《原作・脚色》

ソ・ビョンガク(徐丙珏)

 

《監督》

アン・チョリョン(安哲永)

 

《監修》

島津保次郎

 

《音楽》

堀内敬三

 

《制作会社》

クックァン(極光)映画制作所

 

《時間》

52分

 

《封切》

1939年1月7日

 

《資料》

輝国山人の韓国映画 漁火

 

苦難の連続に翻弄される娘インスン。

見ていて泣けてきます。

でも最後は…。

 

こちらも、朝鮮語に日本語字幕。

朝鮮人は、プライベートでは民族衣装(チマチョゴリ、パジチョゴリ)だけど、

仕事着は洋服だったり。

 

だけど、バス亭にカタカナは驚きでした。

ハングルではないの?

日韓併合時代は、漢字混じりハングルだった筈では?

まあ、細かいところまでは知らないので。

 

4作品全てを一気にここで紹介しようとすると内容が多すぎてしまうので、

『家なき天使』『志願兵』は後日取り上げたいと思います。

 

※「韓国語」というべきか「朝鮮語」というべきか、ちょっと迷いました。

「李」と書いて「リ」ではなく「イ」ならば「韓国語」なのだとは思いますが、

当時はまだ分断されていませんので、

敢えて「朝鮮語」と呼ばせていただきました。